AppleTVは作品数こそ少ないのですが、どのドラマもクオリティが高い!
そう思わせてくれます。
あっという間にトップチャートから消えてしまったとしても、作品のクオリティや演技のクオリティが素晴らしいものはまた観たいと思えます。
今回ご紹介するのは、「クリミナル・レコード」!
このドラマをひと言でいうと「中堅刑事の女性とベテラン刑事の男性の故防戦」。
結論からいうと、素晴らしいドラマでした。
底辺にあるテーマがしっかりしていて、その戦いにハラハラとしながらも素晴らしい演技合戦を堪能できるドラマだったと思います。
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目次
Apple TVドラマ「クリミナル・レコード」の演技合戦!「クリミナル・レコード」のあらすじ
ロンドンの中心で、匿名の電話をきっかけに引き合わされた2人の優秀な刑事。キャリアの浅い若い女性刑事と過去の栄光を守ろうとする人脈の広い男性刑事が昔の誤審を正すための闘いに巻き込まれていく。
全8話
『ドクター・フー』シリーズのピーター・キャパルディがダニエル、『グッド・ファイト』のクシュ・ジャンボがジューンを演じる。ほかにチャーリー・クリード=マイルズ、ショーン・ドゥーリー、スティーヴン・キャンベル・ムーア、ゾー・ワナメイカーらが出演。ピーターとクシュは、『アガサ・クリスティー ミス・マープル』『ヴェラ ~信念の女警部~』などで知られるポール・ラトマン、エレイン・コリンズらと共に製作総指揮を務める。
- 作品名:クリミナル・レコード
- 原題:Criminal Record
- 製作国:イギリス アメリカ
- 放送局:Apple TV+
- 製作年:2023
Apple TVドラマ「クリミナル・レコード」の引き込まれるポイント ※ネタバレ少し含む
最初から引き込まれる、電話でのやり取り。女性が主役で主観から行動する面白さから、ぐっと引き込まれる。
DV夫からの被害の通報から別の事件に繋がる内容のやり取りの緊急性はスリリング。
その別の事件とは、このドラマのキーとなる冤罪の可能性が高くなっていく殺人事件。
また子どもを持つ母親が刑事である設定は、相手に寄り添おうとする行動に大きな説得力をもたらしてる。
その中でも広く潜在的に意識された下にあるテーマが「人種」「偏見」。
Apple TVドラマ「クリミナル・レコード」の演技合戦!キャスト紹介 ※ネタバレ少し含む

演技が素晴らしいのは言うまでも無いが、これ級の俳優たちが織りなす攻防戦は、本当に見どころがある。脇を固めた俳優たちがまた素晴らしい
クシュ・ジャンボ(ジェーン役)
クシュ・ジャンボは、とにかく表情豊かであり、目から溢れる感情や敏感に受けとる人種の偏見に対する感受性。
演技で見せてるのではなく、体験しながら生きてることがありありと伝わってくる。
私はアクティングコーチという仕事もしていますが、その目で見ても、しっかりと揺れ動く心の様子がありありと滲みでる演技に感服する。
ピーター・キャパルディ(ダニエル役)
ピーター・キャパルディは、渋い。
プライドの高さ、娘への態度や行動、仕事に追われ続けた男の末路が垣間見れる。
まず声が特徴的で、その声と役とが非常にマッチしており、目つきや姿勢に関してもプライドの高さが滲みでる。
ジャケットの中に着たシャツも首元までしっかりと閉めるところが、また役として感じられる堅物。
また最後に出てくる彼の娘や偏見に対して表出してくる感情はそれまでのきっちりしたボタンが外れていく感覚はリアリティ抜群です。
脇役もしっかりと演技派です
・公園で頭を撃たれた子どもの母親役の女性も、シーンが短いながら素晴らしい体験の演技を見せる
・冤罪で服役痛のエロル役、その母親役
Apple TVドラマ「クリミナル・レコード」の演技合戦!失敗の科学から垣間見れる「失敗を隠す体質」※ネタバレ
失敗の科学という本を読んだことはありますか?
飛行機事故が減ったのは、ブラックボックスにより事故の原因を知ることができるからであり、またミスを報告することでミスをした人を罰しないという実施が、飛躍的に飛行機事故の改善に貢献してきたという経緯があります。この改善意識と相反する行動が広く行き渡っている業種が医療現場であったり、検察官や警察。特に警察や検察が冤罪を作りかねない証拠作りやレッテルや偏見が大きな問題となっている世界。
このドラマの注目すべきポイントとして、冤罪を生んだ経緯に無意識の「偏見」が入り込んでいて、それが最後に露呈するところにある。
そこがこのドラマの面白さ(と言っていいか分からないが)であり、社会的な問題の投げかけと認識しました。
Apple TVドラマ「クリミナル・レコード」の演技合戦!あなたの肌は何色?このドラマの中に潜むテーマにある人種差別

このドラマをひと言でいうと「中堅刑事の女性とベテラン刑事の男性の故防戦」、と最初にお伝えしたが、言い換えると「有色人種の中堅女性刑事と白人ベテラン刑事との心理的攻防戦」です。
この社会問題は国際社会でも大きな問題となっているテーマ。白人警察が黒人男性を締め殺したり集団リンチをする映像が流れてニュースになったり、多くのドラマや映画でそれは訴えられてきたもの。
主役のジェーンを有色人種の女性としているところもまた必見であり、彼女の目に映る世界、また受信するリアリティな偏見社会。自分の夫にさえその根底にある偏見を受け取り、失意や怒りを放出させる。
さらに凄いと感じたのは、黒人の同僚女性に危険を犯してもらってまでも手を借りて真実を追求する中で、その女性からは「あたなは色が薄い」という意味の言葉を投げられるところにあった。
「あなたは黒人の中でも色が薄い方だから特権である」と暗に意味した言葉を投げかける。
偏見にさらされてきた黒人の中にもまた、さらに肌の色合いでの区別が存在することが見えてくる。
そのシーンの痛ましさは、観ていて辛かった。
Apple TVドラマ「クリミナル・レコード」の演技合戦!Apple TVドラマのクオリティは高いのか?
制作本数こそ少ないものの、その1作品1作品がしっかりとチョイスされたドラマな気がする。
ナイト・シャマラン製作・監督ドラマ「サーヴァント」、「ハイジャック」「クラウデッドルーム」「モナーク」「窓際のスパイ」などなど良質であることは間違いない。
全部見れているわけではないが、NetflixやAmazonプライムで数多く増えていくドラマの中でも、本数が圧倒的に少ないApple TVのクオリティは凄いとしか言いようがない。
こだわりを感じてしまいます。
Apple TVドラマ「クリミナル・レコード」の演技合戦!-まとめ-
「クリミナル・レコード」は、中盤から引っ張り続ける伏線が少し長く感じるところもある。
なぜベテラン刑事が冤罪を生むに至ったのか?
このベテラン刑事は何をしているのか?
と怪しいところがどんどん開けていく面白さがラストの露呈に繋がる。
上記で記載したように、テーマの内容からも、演技の上でも、ドラマの上でもスリリングであり、見どころ満載です。
銃撃戦や刑事ドラマに多くあるカッコ良い戦いはなく、人のいやらしい部分が見え隠れする素晴らしいドラマと言えます。
個人的におすすめドラマでした。
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