んにちは、イラストレーター・絵描きをしている、ひころーるです。
イラストレーターに関しては、勝手に「ひころーる」と名乗ることにしてみました。
知ってる人は知っていると思いますが、私は仕事柄・・・映画やドラマが大好きです。
しかも海外作品が大好きで、イラストと合わせて映画をレビューしたり、ただイラストの過程を報告したりしています。
2024年も終盤ですが、その中でも話題性も高く、しかもAppleTV独占のドラマのご紹介です。
今回は「ディスクレーマー 夏の沈黙」。
AppleTVに入っていないと見れないですが、この作品の作家性や俳優の演技とも素晴らしく必見!
主演は、「ター(TAR)」で指揮者を演じてアカデミー主演女優賞を受賞したケイト・ブランシェット。
俳優としては既に殿堂入りしているくらいの名優。
そして、監督はNetflix映画「ROMA /ローマ」でアカデミー監督賞を受賞し、配信映画として快挙を成し遂げその後市場を変化させた張本人、アルフォンソ・キャロン監督。
このタッグで観ないのは損!
私見の感想ですが、私が演技に携わる仕事もしているので言ってしまうと、演技はもはや素晴らしいとしか言いようがない。作品としても導かれた内容のまま受信していくと、やっぱりそうかとはなりますが、人間の作り上げる視点の交差が巧妙でもあり、とても面白かった作品でした。
目次
AppleTVおすすめドラマ「ディスクレーマー 夏の沈黙」ってどんなお話?
あらすじ
ジャーナリストのキャサリン・レイヴンズクロフトは、他人の悪行や違反を暴くことで名声を築いてきた。ある日、キャサリンは無名の作家から小説を受け取る。その内容はキャサリン自身を主人公に、彼女の最も暗い秘密が描かれているものだった。キャサリンは作家の正体を暴こうと奔走し、自分の人生や家族との関係が壊れる前に自分の過去と向き合わなければならなくなる。作品名:ディスクレーマー 夏の沈黙
原題:Disclaimer
製作国:イギリス アメリカ
放送局:Apple TV+
製作年:2024
AppleTVおすすめドラマ「ディスクレーマー 夏の沈黙」ってどんな意味
これもまた、確認しておきたい要素ですよね。
確認しましょう!
英語で書くと「disclaimer」
英辞郎参照
意味は、以下3つ
免責条項[事項]、責任放棄声明◆可算◆【同】hedge clause ; get-out clause
《法律》〔権利などの〕放棄、〔責任の〕排除
〔知っていることの〕否認、否定
AppleTVおすすめドラマ「ディスクレーマー 夏の沈黙」の見どころ!家族関係
第一話から夫婦、親子、はっちゃけた青年と彼女の電車での熱いシーンとばりばりR18の世界を突っ走っていきます。
2つの夫婦の関係、親子関係、子どもとの関係がじわじわと浮き彫りになっていきます。
主役のキャサリンとロバートの夫婦は一見良い夫婦として支え合っているように見えるも、子どもの様子からうまくいってるわけではないのが見えてきます。
その辺の匂わせ方も非常に面白い。
溺死した青年が撮影したカメラのフィルムに残っていたのは、下着姿で淫乱な雰囲気を出した若き日のキャサリンの姿。
この姿は、夫のロバートはおろか誰にも話さずに閉まっていたキャサリンの秘密。
亡き息子ジョナサンが溺死したのは、淫乱な写真で写った女性(若き日のキャサリン)が見殺しにしたせいだと小説として書き残した母。
その恨みつらみを持ったまま亡くなった母。
その意思を受け継ぎ、父のスティーブンが出版に漕ぎつけそのキャサリンに復讐を始める中、写真がいつキャサリンの夫のロバートにバラされるのかヒヤヒヤ。
その繊細な関係は一度亀裂が入ると、氷にヒビが入るように一気に加速して瓦解する様は、ちょっとしたサスペンスか。
瓦解するのをドミノ倒しを楽しむように息子を殺されたと思っているスティーブンがほくそ笑む。
多くはこの繰り返しの中、最後に!?というのが出てくるわけです。
AppleTVおすすめドラマ「ディスクレーマー 夏の沈黙」の見どころ!妄想の二重奏
息子ジョナサンが人妻の子どもを助けて溺死した。
息子ジョナサンを見殺しにしたのがキャサリンであり、息子を誘惑したキャサリンは浮気をして浮気相手を見殺しにした悪女である。
そのことを書き残したジョナサンの母ナンシーの妄想は凄まじき。
ジョナサンが、肝心の写真が撮影されたベッドシーンにおいては、人妻の誘惑として小説に描かれています。
実はそのシーンが凄く印象的。
エロスを存分にぶちこんだシーンになっています。
ワイングラスの支柱をさする仕草。
胸や陰部をチラ見せする姿。
鍵を渡し、誘い出す行動。
部屋に入り、自ら脱ぐ行動。
そして、さんざんクライマックスまでじらす姿。
まさに「氷の微笑」=悪女。
とまではいかないまでも若きキャサリンのシーンはそれはそれで魅力的なんです。
最後の7話まで見ると、子どもを思う親が息子に描く優しいイメージと、苦悩し、独りとなった男が起こした真実の行動との剥離が露呈します。
ミスリードを6話まで引っ張りながら、それが息子を失った母親ナンシーの正義であったところに、確信部分だけ正当化された妄想が膨らんでいたことが分かる。
そして、もう一つの妄想とは、キャサリンの夫ロバートの妄想。
仕事一筋で名声も得ていた妻、女性としても輝く妻に対する男としての劣等感からくる妄想。
それをジョナサンが撮影した写真とナンシーが書いた小説によって、さらに妄想に火が付く。
想像とは都合のよい解釈から生まれるのだなと思わせてくれます。
キャサリン役:ケイト・ブランシェット
監督が最初からケイト・ブランシェットをキャスティングするイメージで脚本を書いていたというほど、はまっていました。
信念の強さ、でも心は繊細で傷つきやすい、そんな姿をしっかりとてらいなく晒していた演技は圧巻。
決して誰でもできることではありません。
やはり素晴らしかったとしか言いようがない演技でした。
スティーブン役:ケヴィン・クライン
オスカー俳優のケヴィン・クライン。
溺死した息子ジョナサンの父親役ですが、復讐を密かに楽しむ姿はコミカルでもありました。
すっかりと年齢を重ねたお爺さんとしての姿はチャーミングさと気持ち悪さと兼ね備えていました。
お爺さんだからこその、可愛らしさが逆に怖くもあり、ミスリードをしっかりと体現してくれました。
個人的には、ラストシーン、もう一歩欲しかった気がしてなりません。
既にキャサリンから真実を聞いた後の行動(キャサリンの息子にとどめを刺す)にはやや不可解と思わせてしまった気がしてなりません。
それを聞いても尚行動に走らなければと感じさせるアクセルが欲しかったと思っています
注目すべき若き日のキャサリン役:レイラ・ジョージ
レイラ・ジョージは初めて観たと思います。
この役を体現するのは素晴らしい勇気だったと思うんです。
性的に誘惑していく女性として母親としての姿を両方演じた俳優。
この妄想を生きることは、男性に対する妄想の姿であり、きっとそれ相応の覚悟が必要だったのではないかと感じさせてくれます。
そして第7話での真実のシーンでは、繊細で警戒心を持った母親としての好演が光っていました。
【ネタバレ】AppleTVおすすめドラマ「ディスクレーマー 夏の沈黙」の見どころ!最後の一言が衝撃
夫ロバートが「僕を許してくれ」と言った後のキャサリンのセリフ。
私が誰かと快楽を味わったと想像するより、
私がレイプされた方が安心なんでしょ。
だから許せないの。
ここは男性心理を突きつけられた瞬間でした。
浮気だと許せないが、レイプされたとなると心配したり痛みに寄り添うことなく
安心した心理を見せつけられたキャサリンのひと言は衝撃です。
この両天秤こそが、この物語が突きつけたシーンだったのではないでしょうか。
合わせて、監督インタビューも観れますのでぜひこちらのチェックを!
『ディスクレーマー 夏の沈黙』アルフォンソ・キュアロン直撃インタビュー「視聴者は最後に試される」
AppleTVおすすめドラマ「ディスクレーマー 夏の沈黙」の見どころ!-まとめ-
このドラマの要素として、ドラマ性、サスペンス性、女性蔑視とまではいかないがその視点、男性主義の世界観と、それを見越した女性の妄想、親の視点、子の視点、色々なパーツが合わさった作品。
しかも、全7話というスッキリ感。
そして、オスカー受賞者のドラマ進出とその演技。
監督の作家性。
どれをとっても申し分ない作品でした。
AppleTVは、会員が少ないのに、これほどのキャストと監督で挑戦できるのが凄い。
引き続き、注目していきたいサブスクです。
その他の映画・ドラマの感想もぜひご参考ください。
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