「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ」、ラスト3日間のまとめ


【7日間ブックカバーチャレンジ】をご存知でしょうか?Facebookでまわってきたちょっと楽しいバトンです。色々な方の興味や影響受けたモノが垣間見れて面白いんです。主旨は下記のとおり。

「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ」参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿するというものです。

Reading time ©Arito Art
Reading time ©Arito Art

先に4日間分の4冊をこのblogでもまとめて公開しましたが、本4冊の紹介なんて濃すぎて読むのも大変だったのではないでしょうか?と思ってしまったり、心配しております。最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、本当に嬉しい事です。ありがとうございます。7日間のチャレンジでしたので、残り3日分をここに記録しておきます。
最初の4日間は下記過去記事参照下さい。

5日目 絵本「Life(ライフ)」

「Life(ライフ)」
文:くすのき しげのり 絵:松本 春野

あらすじ
町の外れに「Life (ライフ)」という 小さなお店があります。 でもお店といっても、だれかが働いているわけでも、なにかを売っているわけでもありません。 ある冷たい風が吹いた日、 一人のおばあさんが「ライフ」にやってきました……。 冬の間も「ライフ」には、たくさんの人が訪れ、そしてすてきな春がやってきました。

この絵本は、妻にプレゼントした絵本です。素敵な物々交換のお店。モノを大切にすることや、次の世代へ渡していくこと、そして種という命。なつかしさと素敵な知恵と、最後は涙が出てきました。絵も不要な力が入ってないし、柔らかいし、すべて春の光のような気持ち良さなんです。
私自身、絵本を描いたりもしますが、子供向け大人向けなんてカテゴライズが正直嫌いなんです。販売する人はすぐにターゲットを絞りたいという旨の意見を言ってきます(セオリーとして当然だと思います)。ですが、このような年齢を問わない絵本が大好きなんです。子どもは内容が分からなくても絵を読む(観る)し、青年期になって分かることもあるし、大人になって絵本の良さが分かるかも知れません。実は私自身、むしろ大人になって絵本の良さにたくさん気が付いているたちなのです(笑)

ちなみに、絵を担当された松本春野さんはあの、いわさきちひろさんのお孫さんです。Wikipediaで調べると生まれが「いわさきちひろ美術館・東京」とあります。美術館で産まれたの!?いつかお会いする機会があればぜひ聞いてみたいです。

他にもプレゼントでいただいた絵本がまたまた素敵なんですが、後ろにちょっとだけ顔を出すように配置してみました。

絵本「ライフ」「よあけ」「世界のはじまり」
絵本「ライフ」「よあけ」「世界のはじまり」

6日目 詩集「これが私の優しさです」

「これが私の優しさです」
谷川俊太郎詩集

言わずと知れた詩人・谷川俊太郎さんの詩集です。他にも7冊ほど持っていますが、この詩集はかなり思い入れ深いものです。厳密に言えば、色んな詩集をまとめた詩集です。このタイトルにある「これが私の優しさです」という詩は、東日本大震災後に意味が自分の中でドン・・・と変わりました。それぐらい当時胸に刺さったし、なんとか前を向ける気がしました。読む心境やたタイミングによってあらゆるアートは意味を投げかけてきます。これもまたそうでした。是非、読んで欲しいです。

難しい言葉はほとんどなく、昭和(当時の詩人の現在地)の目から世界を観て、世界を観て昭和(当時の詩人の現在地)を観ているような、懐かしくもあり、新鮮でもあります。
朗読のイベントでよく氏の誌は使用させていただいております。色を付けないでその場の感情で読むのが好きなので、本を読んで聴かせるより、まず覚えて朗読する、モノローグとして表現される技法で山縣はいつも挑戦しています。ですので空で言える詩がここにはたくさんあるのです。また読み返して最近は「子どもは・・・」という詩、ストンとはまっています。

子どもはなおもひとつの希望
このような屈託の時代にあっても

※詩「子どもは・・・」冒頭を抜粋
※続きは是非、詩集を購入してお読みください。

小学校1年の時の教科書に載っていた「いるか」は今も好きな作品。言葉遊びとリズムが心地よいんです。そして、そんな谷川俊太郎さんにお会いすることができ、且つ昨年は舞台上で共演もさせて頂いたこと、素敵な出会いに感謝せずにはいられません。
ちなみに、この詩集の最後の方の年譜に、ピアニストの谷川賢作さんの赤ちゃんの頃の写真が載っています。これも必見ですぞ。

付箋だらけ(笑)
谷川俊太郎詩集「これが私の優しさです」
付箋だらけ(笑)
谷川俊太郎詩集「これが私の優しさです」

7日目(ラスト) 「肉への慈悲―フランシス・ベイコン・インタヴュー 」

「肉への慈悲―フランシス・ベイコン・インタヴュー 」
デイヴィッド シルヴェスター 著, フランシス ベイコン(著)

内容
美術史上最も重要な書、ついに邦訳なる。作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです。そしてもう自然主義的なリアリズムなどあり得ないのですから、まったくあらたなリアリズムを創造して、神経組織に直接伝わるようなリアリティーを見いだすべきなのです。―意思を失おうとする意思、過剰な強度を切望する精神を持ち得るもののみが語り得る、世紀末に相応しいおそるべき書。図版多数。

絵を観て血が滾ったなんて感覚はフランシス・ベーコン(ベイコン)以前にはなかった感覚でした。作品との出会いは恥ずかしながら遅く2013年のベーコン展でした。気になって美術館に行ったところ、その血にざわざわっとくるような、正直滾るという表現では当てはまりませんが、すごい感覚がありました。そして、ぞわっとした後、釘付けになりました。
原画観るということと、絵の画像を観ることとは胸に届くものが全然違い過ぎてびっくりです。私は折に触れて「絵の観賞こそライブである、原画を観ることはライブである」と、人に伝えるようにしていますが、それをまざまざと体験させてくれたのがベーコンの作品群でした。

そして、この展示には、舞踏家・ダンサーのウィリアム・フォーサイスさんがギャラリーの空間でベーコンの絵を舞踏で足元全体に描くという表現をされていました。それもまた釘付けでした。絵と舞踏との結びつき、絵を飛び出して新たな表現に変わる現場を目撃したのはラッキーとしか言いようがありません。

この本は、元恋人のデイヴィッド シルヴェスターのインタビュー形式です。なんと5000円もしました!それも衝撃。嬉しい事にこれは妻から私への誕生日プレゼントとなりました。その後わくわくと読みふけりました。ベーコンの子どもの頃の傷やディレンマや映画や連続写真からの影響や、自分の超感覚で描く勢い、色々なお話を聞くことが出来ました。それはつまり、俳優や脚本家、演出家としても大いに楽しい本となったのです。

彼の哲学もまた面白いです。絵画とはある種それぞれの哲学が含有してしまうし、知ったあとに絵を見直すと違う発見があります。その作家やアーティストを知ることは本当に面白いですよね。作品からアーティストに興味を持ち、作品を見直すループが好きです。逆もしかり。たとえばゴッホの作品も、彼の歩んだ人生と謎の死、弟テオとの関係を知れば知るほど観る側の作品への想い入れが変わっていくように。

「肉への慈悲―フランシス・ベイコン・インタヴュー 」

個人的な書 「感動ストーリーズ1壁を乗り越えて」

この本はノンフィクションです。個人や団体で壁を乗り越えて活躍した方々のお話です。5編ある中の「坪倉優介さん」「熊本県立盲学校」の2編を私が担当しました。全国の図書館に置いてあるとの事ですが、今はどうでしょうか?
これ以前もこれ以降も学研さんとはお仕事していないですが、取材から執筆、校正に至るまでの半年は楽しい時間でした。記憶喪失となった坪倉さんの染め職人となった経緯や瑞々しい表情が今でも忘れられません。また熊本県立盲学校の皆さんが体育館に集まり目が見えない中、マリンバなど打楽器を演奏する姿は今でも脳裏に焼き付いています。
実は、最初のフジコ・ヘミングさんも執筆予定でした。フジコ・ヘミングさんのライブに行けることや且つ取材が出来る!?という興奮で楽しみでしたが、当時は舞台脚本を同時に2本書くことで恥ずかしながらめいっぱいで、そちらまで手が回らかなったのです。期限迫る中、フジコ・ヘミングさんに着手できないことをお詫びし、別の方が担当して下さいました。ギャラ的に考えたらどう考えても学研優先なんですがバカですよね(笑)この2編と舞台脚本と執筆で泣きそうでしたが、まさにタイトル通り、現状の力不足を受け容れることと、壁を乗り越えさせていただいたと思っています。未熟ながら関わることが出来て良かったです。

漫画は第9番目の芸術

漫画は第9番目の芸術として、ルーブル美術館で認められました。ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦さんなどたくさんの日本の作家がルーブル美術館をモチーフに漫画を描いて展示されました。個人的には松本大洋の絵が好きで、「ルーブルの猫(上下)」作品も面白く、印象的で好きでした。またヨーロッパの漫画バンド・デ・シネの作品としてのクオリティの高さにも感動をおぼえます。ほんと素敵です。

バンド・デ・シネについては過去の記事で紹介しておりますので、是非、そちらをご覧下さい。

バンド・デ・シネです。

まとめ

他にもたくさんご紹介したい本や、自分に影響の大きかった本がたくさんあります。今回紹介したかった作品が既に売ってしまったという事実が発覚した本がありました・・・残念。引っ越し時に200冊はBOOK・OFFで売り払ってしまいましたが、手元にある200冊は捨てられません。彼らはまた読まれる機会を伺っています。漫画やバンドデシネもそうですし、小説も多くあります、哲学書もあります。何度も読み直しているものあります。

あぁ、本って本当に素晴らしいですね。

文学や芸術に予算を割くことをやめたこの国の末路が心配です。そんな方々が国を動かすことに不安を覚えます。この国の不要不急なアイデアは一般の生活の想像力すらないように見えます。だからこそ、蟹工船の作家のような力が今必要なのではないでしょうか?想像力、育んでいきたいですね。

なんて思いすぎですよね、単純に楽しむもいいですね(^^♪

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。