おススメNetflixドラマ「アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)」


おススメNetflixドラマ「アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)」。妻の出産直前、2週間かけて一気に観てしまったのが、Netflixドラマ「アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)」でした。原題「ANNE WITH AN “E”」(Eのつくアン)。台詞でもちょいちょい「Eがつく」ということを強調しています。

Netflixドラマ「アンという名の少女(ANNE WITH AN "E")」
Netflixドラマ「アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)」

赤毛のアンは、アニメ(高畑勲監督)、映画「赤毛のアン、赤毛のアン~アンの青春~」とけっこうファンで観て来た自負があります。しかし、今回の赤毛のアンは、その世界を大きく越えていました。とにかく、様々な問題が詰まっています。

直球的な感想を言いますと”素晴らしかった”です。
その気持ちが冷めやらぬまま、ちょっと紹介しておきたいと思ってペンを取りました。

アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)、アンの魅力

アン役は、1800名以上の少女の中から選ばれた14歳(当時)のエイミーベス・マクナルティ(Amybeth McNulty)。
とにかくすごい台詞の分量。そして圧倒的な早口。すごいんです、想像以上にうざい(失礼)ほどの言葉を吐き続けるのです。想像できますか?人の話を聞かないでひたすら想像が動いて話続ける人を。現実には人の話を聞かないでひたすらしゃべる人を見かける事もあると思いますし、友人にいるかも知れません。それはただの自分勝手(笑)でも演技は自分勝手じゃないんです、相手の存在を受け容れ対話しつつ、全力で生きてそれを体現して出来る事自体が凄いのです。そして、色々なアンを観てきましたが、ここまでしゃべり通すアンに出会った事がないのです(笑)

アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)

アンの性格とバックグラウンド

そして、この製作さん、脚本が凄いのは、アンがここまでしゃべるキャラクターである理由・背景(バックグラウンド)を明確に提示しているのです。

つまり正当化(演技においての)がちゃんとされているのです。

彼女がそうなるに至る理由、そのように生きざるを得なかったそれまでの人生が、しっかりと描かれているからです。厳しい孤児院と奉公先の傷。映画などの短い作品では難しい、またアニメの場合は視聴者が子どもと対象がなりやすいため、辛い描写が多い場合は、そのようなシーンに時間を割くことは難しいかも知れません。これまでのアンは、がむしゃらに明るく悪気がなくポジティブ、そんなイメージを作っていたと思いますが、幼少期の辛さやトラウマがあってこそだったのです。アンが、生きるためにそうせざるを得なかった姿が見えた時に、もう、このドラマの虜になりました。

ANNE WITH AN “E”の理由

よく紹介されている宣伝文句は、過去の作品と比べダークに描かれている、「現代版の赤毛のアン」。確かに、アイデンティティ、偏見、いじめ、アウトサイダー、受容、人種差別、同性愛、先住民迫害、女性の自立などの現代的なテーマを追究しています。そして、アンが「E」がつくことにこだわる理由、それこそが彼女がしがみつくことが出来た唯一のアイデンティティなのです。シーズン2からの原題の「ANNE WITH AN “E”」はまさに的を得たニュータイトルだっと言えます。

アンという名の少女(ANNE WITH AN "E")
アボンリー
アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)
アボンリー

多様性という視点

ダークになった、という表現は適合していないと思えます。
すべて総括するのは難しいですが、私感ですが作品として「人としての自立」という事に焦点が当てられています。それが出来たのは、現実というよりもドラマであり、且つ現在の移民を受け入れる土壌を持ったカナダだからではないでしょうか?多様性を受け容れることが、即ち民主主義の基盤だからです。民主主義は固い言い方ですが、「基本的人権の尊重」が大前提にあります。それは決してダークではありませんよね(笑)

自立というテーマ

このドラマを見て受け取ったテーマ、それは「自立」でした。
親からの自立、子どもからの自立、伝統からの自立、性からの自立、差別からの自立。自立というのは、「助けて欲しい時に、助けてと言えること」であると考える私にとっては、この「自立」はその意味に該当します。
「自立」の意味は、一人だけで生きていく、と思われがちです。そのように認識している人も多いかと思います。ここで私が言う「自立」とは、よく言われる「自己責任」での意味では捉えません。「自己責任」それはただの孤立です。資本主義・市場主義の都合よきリバタリアンの解釈だと思います。ちょっと哲学チックですみません・・・。
本当の「自立」をこの物語は語っていると思います。

私的最高の回

私的最高の回は、シーズン2の7話「”Memory Has as Many Moods as The Temper”」です。
「The Temper」は、この物語ではアンの気性の変化(荒さ)で「かんしゃく」と訳されていますが、記憶がたくさんの感情と結びつくという事でしょうか。
とにかく多様性を受け容れ、存在を認められていく姿、成長のシーン最高でした。集約されています。

アンという名の少女シーズン2の7話
「"Memory Has as Many Moods as The Temper"」
朗読するシーン
アンという名の少女シーズン2の7話
「”Memory Has as Many Moods as The Temper”」
朗読するシーン

逆に私的残念な回

シーズン2の1~3話の金鉱騒ぎ3連続話。エピソードとしてたっぷりやった割には、さほど重要でない(笑)部分でした。私感ながら1話で終わらせてほしいくらいです。

レイチェル・リンダ役

マリラの同級生で隣人で友人のレイチェル・リンダ役のコリーン・コスロさん、素晴らしい演技でした。この古い価値観と新しい価値観の交差で右往左往するレイチェル役は、彼女のように、時に恥ずかしいくらい人を責めて、恥ずかしいくらいに傷つき、一生懸命でいじわるで、でもチャーミングさを最終的に持ち込める女優さんなくしてなかなか出来ないでしょう。彼女の役作りでなければマリラとのやり取りは生きなかったでしょう。そう思えます、素敵でした。

レイチェル・リンダ役のコリーン・コスロさん
キャシー・ベイツさんじゃないですよ、あしからず
レイチェル・リンダ役のコリーン・コスロさん
キャシー・ベイツさんじゃないですよ、あしからず

マリラ・カスバート役(ネタバレ注意)

マリラ役のジェラルディン・ジェームズ(Geraldine James)、そしてマシュー役のR・H・トムソン、この兄妹がまたいい感じでした。この兄妹のバックグランドがしっかり語られていて、妹のマリラの葛藤と兄のはずのマシューの弱さと優しさがしっくりくるのです。原作と違うところ盛沢山の意欲作ですが、マシューが生き続けて、時代の変化と未来のために行動していることがまた面白いのです。

復讐しないということ(ネタバレ注意)

アンの同級生でお金持ちのいじめっ子がいるのですが、これがまた酷い奴なんです(笑)人を見下し、女性を下に観て、人と対等なコミュニケーションが取れない青年。家庭環境がそうさせていると思います・・・。同級生に骨折ほどのケガをさせるし反省や謝罪もしない、女性をモノ扱いしつつ、反省もない(笑)物語としては最終的に彼が酷い扱いを受けることで視聴者は怒りが収まるのが定例だと思います。
しかし、明確な復讐を遂げるシーンはなく、すっきりしないのです。「復讐」に拘らないし、いじめられ、ちょっとだけ仕返しをした青年カールが逆に謝罪するという状況。ある意味、このいじめっ子は時代に取り残された人、「自立」ができない人、古き価値観のままなんです。そこが凄い。
バッシュが妻の前夫との子どもとのやり取りでさえ、復讐は果たされないのです。(観ないと分からないところです、すみません)

打ち切りの理由

そして、残念な事にこのシーズン3(全27話)で打ち切りとなってしまいました。カナダのCBCが製作し、その後シーズン2からはNetflixが製作したそうですが、長い目でカナダの産業の害になるとのことで、シーズン3で幕を下ろしました(Wiki参照)。
また、若い層の視聴が少なかったとのうわさもあります。今や世界産業のNetflix。かなりの力を持っていると思いますが、制作サイドの比較的好きなように挑戦させてもらえる媒体との事ですが、何があったのか。。。憶測の粋を出ません。非常に残念です。

オープニングのヴィジュアルセンス

アンという名の少女(ANNE WITH AN "E")
オープニングのヴィジュアルに寄せて
アンという名の少女(ANNE WITH AN “E”)
オープニングのヴィジュアルに寄せて

オープニングデザインも最高に素敵なんですよ。短いオープニングながら、アート感が滲み出ています。文学を愛し、アートを愛する人が作ったのかなぁ、新しいアンの幕開けでした。これは全シーズン通して変わらず、同じものでした。

世界中でANNE WITH AN “E”シーズン4の署名キャンペーンが動いていた!

私のTwitterでこの記事をリツーイトしたところ、世界中の赤毛のアンのファンの方々やANNE WITH AN “E”ファンの方々からたくさんの同意がありました。
そして、シーズン4の製作を希望するキャンペーンが動いていたことを知りました。もちろん、賛同者としてサインしました。まだ終わっていない物語、まだ回収していない伏線、是非見たいです。よろしければ、ご賛同下さい。

まとめ

自粛要請を受けてNetflixの契約者は世界中でうなぎのぼりだと思います。まとめて観るにしても、どのドラマを観たらいいのか、迷ってしまうし、予告だけたくさんみてお腹いっぱいになったりするかと思います。1話を観る勇気も実はちょっと必要ですよね。
もともと「赤毛のアン」好きとしても、このアンは必見でした。夫婦そろって、ドギマギし、いら立ち、心配し、感動して、2週間いっき見、最高でした。多様性を見つめるうえでも、赤毛のアンのファンの方も、必見の作品ではないでしょうか。おススメです(^^♪

Because it has a lot of access, I translated it into English.

The theme I received after watching this drama was “independence”.
Independence from parents, independence from children, independence from tradition, independence from sex, independence from discrimination. To me, who think that independence is “when I want help, I can say that I can help”, this “independence” corresponds to that meaning.
It is often thought that “independence” means living alone. I think many people are aware of that. The term “self-reliance” I refer to here does not mean the term “self-responsibility” often used. “Self-responsibility” It’s just isolation. I think this is a libertarian interpretation that is convenient for capitalism and marketism. I’m sorry for being a little philosophical…
I think this story tells the true “independence”.

Reason for termination

And, unfortunately, it ended in this season 3 (27 episodes in total). It was produced by CBC in Canada and then by Netflix from Season 2, but it is said to be harmful to the Canadian industry in the long run, so it ended in Season 3 (see Wiki).
There is also a rumor that there were few young people watching. Netflix is now a global industry. I think it has a lot of power, but it is a medium that allows you to take on challenges as you like on the production side. What happened? .. .. No speculation. It is very disappointing.

Renew Anne with an E for season 4!!

When I retweeted this article on my Twitter, there was a lot of agreement from fans of Anne of Red Hair and ANNE WITH AN “E” fans all over the world.
And I learned that a campaign that wanted to make Season 4 was working. Of course, I signed as a supporter. I want to see the story that has not ended yet and the hints that have not been collected yet. If you don’t mind, please agree.So I’m looking forward to see Anne with an E for season 4! Thank you for seeing that article!!

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。