いい演技・自然な演技って何だろう?演技の勉強がしたい方は必読


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いい演技・自然な演技って何だろう?演技の勉強がしたい方は必読

私はプロの俳優、演出家、脚本家、演技トレーナーとしてずっと二十歳から活動して27年ほど続けいますが、ずっと演技が好きです。現在は芸能プロダクションや大手芸能プロダクションに関わる学校や子役モデル関係の方々に演技講師として携わる機会が多くなっています。これまで1000人以上演技トレーニングしてきた中で感じたことから色々と発信しています。
演技に対する認識は人それぞれにあります。そこで価値観を統一していく必要が生まれます。つまり、いい演技ってなんだろう?どんな演技を目指していけばいいのだろうか?といったことです。

いい演技は何?演技って嘘つきで悪いこと?という演技へのイメージ

いい演技は嘘つきの悪いこと、という演技へのイメージ

演技というとどういうわけか「あなた演技しているね?」「それ演技でしょ」とマイナスイメージがある日本において、演技として認知されているレベルがそもそも「それ」だという現実があるのです。つまり演技というものは、「そう見える」「そう思わせるのが上手ですね」なんて思ってしまっているということ。その認識のもと俳優を志した場合に、「所詮嘘でしょ?」だから演じてるんです、といった土台の上に成り立つ演技をしてしまう危険があります。


もしかしたら、一般的には俳優の演技と一般の人の演技とを分けて見ていて、一般の人の「演技」のことを悪いものとして考えているのかも知れません。いずれにせよ、いい意味で演技していると捉えることはあまりないように思います。こういうと誤解を生みかねません。もちろん私が言いたいのは「俳優の素晴らしい生きた演技が好きです」という意味に他なりません。

演技って嘘なの?

演技って嘘なの?

そう、ここが大きな分岐点です。この認識を変えていかないことには世界中で称賛されている俳優たちの演技の方向に向かうことはありません。驚かれるかも知れませんが、どこかで嘘だと分かってはいるかも知れませんが、今自分に起きていることは本当だと感じて生きているという状態が素晴らしい演技(いい演技)と私は考えます。海外の映画やドラマを観て素晴らしい演技によく出会います。

演技が上手ってどういうこと?

演技が上手ってどういうこと?

時々、監督や演出家が「演技が上手だ」「うまく見せている」なんて言ってるのを聞きますが、それって「演技で嘘をうまくついている」という認識で言葉にしている可能性があります。注意いただきたいのは、監督や演出家は演技のプロではないということです。結果そう見えていると感じていても、俳優はその役を生きているのです。俳優と監督との演技の認識が違っていて当然良いですが、俳優が「見せている」と思って演技をしていては、自然な演技は成り立ちません

自然な演技とは?今を生きる演技とは?

ある養成所やある監督が指導するワークショップな授業で時に「演技って所詮は嘘だよね、演技だよね」という前提で指導されていることがあります。権威がある人に言われると「そ、そうなんだ、そうだよね」と思いがちだし、演技って嘘と思われがち。果たしてそうでしょうか?私が追求しながら且つ大好きだと言える演技は「今を生きてる演技」なのです。そもそも「演技=嘘」という形式ではなく「演技=真実」と捉えているのです。

演技=真実ってどういうこと?日常は不自然

演技=真実ってどういうこと?日常は不自然
自然な演技は自然な自分を知って初めて生まれます

我々は日常、自然な状態で生きてはいないのです。本音を隠し、表情に出さないようにし、「カッコ悪いと思われたくない」「バカだと思われたくない」「好かれたい」「嫌われたくない」といった自意識が過剰に働いた中で、自分と折り合いをつけたり誤魔化したりしながら何とかやっているのです。そんなことない、自由に反応して生きてるっていう方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか?ほとんどいないと思います。もちろん私だってそうです。


また、つきたい時に悪態をつけないなど、良くあること。「本心を悟られずに生きながらも、ねぇあなたなら察してよ」と相反する文化に身を置いています。これって凄いストレスですよね。つまり日常は「嘘」のかたまりかも知れません。日常こそ不自然な可能性が高いのです。過度に社会性を守っていて、息苦しいと言わざるを得ません。
そんな中に生きてきた人が、さぁ俳優として演技します、といった場合、日常の不自然が身についていますので隠した心のまま何かしようとするからますます不自然な演技に陥っていくのです。

私は、その実態を何百人と観てきました。親しい友人や親友と話しているときのあなたの方が生き生きとしているのは間違いないでしょう。だから俳優トレーニングが必要なのです。ハリウッドスターだって、俳優トレーニングを続けながら現役でい続けている人はたくさんいますよ。

まとめ

もう見えてきましたでしょうか?そう、演技が真実を捉えるというのは、本当に感じていることがそのまま溢れて出てきたり、滲み出てきている状態が生まれるからなのです。それは俳優本人が実際にカメラの前や舞台の上で嘘の世界をある程度本物として感じていないと出てこないモノなのです。だからこそ、人に非ず優れている「俳優」と言えるのではないでしょうか?
アメリカやイギリス、フランスなど、俳優トレーニング、演技トレーニングを演技トレーナーから学び続けています。さて、ここ日本ではどうでしょうか?これから演技を志す人、既に活動している人、プロの俳優として生きている人、「いい演技・自然な演技」の認識がどこにあるかで、きっと出てくる演技は変わってきます。
どうか、世界で活躍できる俳優として「今を生きて」もらえたらと思っています。また私もそのお手伝いがずっとできればと思っております。

演技について、演技活動について、講師について、ご相談や進路の心配などありましたら、お問い合わせフォームからご連絡いただいても構いません。お問い合わせや記事の感想でも構いません。言葉あると私も嬉しいですので、お気軽にお尋ねくださいませ。

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About ひころーる

イラストレーター ひころーる 2011年に「めぐりのおと」の絵本を描いてから 個展を5回開催し、どれも好評を得て 調子に乗って、受注販売をしたり イラストレーターのお仕事をいただいたり 非常に恵まれてきた環境です。 美大も美術系専門学校もでていない私が イラストや絵を描き続けられる環境にあることに 感謝しながら、コロコロと状況を お伝えしていきたいと思います。 ※活動が多岐に渡って経験を備えてきました。 それぞれ専門のブログやウェブサイトがありますので、 こちらはイラストレーターに寄せたものにしていきます。