GTY(Great Teacher Yamagata)の授業開講!?


今回は、GTY(グレート・ティーチャー・ヤマガタ)ではなく
今回のGTYは、ゲスト・ティーチャー・ヤマガタ(Guest Teacher Yamagata)でした。

山縣有斗って、教師なの?
いいえ、教師ではありません。

GTY2019 山縣有斗の授業
GTY、2019年の山縣有斗の授業

昨年も素敵な機会を頂いたのですが、今年も杉並区の某中学校にゲストの先生として授業をさせていただきました。
まだまだ未熟者なのですが・・・立たせて頂きました。

ゲストティーチャーって何?

杉並区の某中学校にて、中学一年生の授業を様々な職業の方々が1時間(厳密には40分)授業する企画でした。素敵な企画ですよね。

スクエアエニックスのプロデューサー、弁護士、スポーツトレーナー、編集者、建築家、片づけコンサルタント、アニメスタジオMAPPAの監督、などなど・・・

それぞれの場所で活躍する方々が、ゲストの先生として1時間授業を行います。
ひとりひとりが授業を受け持つのですが、クラス1つで約10数人の中学一年生がいます。
事前に、どの授業に出席したいかを学年で募って、選択した先生の授業を受けるそうです。 とは言っても、まだまだ未来の自分も想像できない中学一年生も多いと思います。 そこは、かたまり過ぎた授業は他のクラスに人を割り振ったりしているそうです。

何の先生として行ったの?

昨年もイラストレーターとして参加させて頂きましたが、今回は、イラストレーター兼俳優、という事で伺いました。
どちらかというと、イラストレーターとして紹介を受けましたので、イラストレーターをメインに立ちましたが、厳密には俳優もイラストレーターも繋がっているんです。

Tシャツの為の デジタルアート「ピエロギター」
Tシャツの為の デジタルアート「ピエロギター」

どんな授業をしたの?

Arito Artが言える事なんて、そんな多くはありません。でも、夢を奪うような伝え方はしたくはありません。
まず、子どもたちが聞きたがっていたことは、漠然と「 イラストレーターになる方法」、つまり「どうやったらイラストレーターになれるのか?」という事のようでした。ですので、最初に一般的な事と、アウトローな自分の事とをお伝えしました。

アートオブウルトラセブン展で出展 @横浜ワールドポーターズにて
アートオブウルトラセブン展で出展 @横浜ワールドポーターズにて

どうやったらイラストレーターになれるのか?

イラストレーターという仕事、というかカテゴリーを大きくざっくり2つに分けて、ざっくりと紐解いてみました。

①依頼や注文から描く
②自分が好きなものを描く

子どもたちのイメージの多くは①だったんてす。
学校に行って、就職して、というレールに乗ったストーリー。
その期待通り、美大や専門学校などから、デザイン事務所や広告代理店などに就職する方法などを一般的にという事でお伝えしました。このストーリーに乗ると、個人の窓口を越えて、仲間やたくさんの機会が広がっていく可能性も高いと思います。

②のイメージは全然なかったそうです。
②からやがて①に繋がること、②からフリーランスで受注を受けて働く事や、画廊にお世話になる事など。本当、ざっくりな事しかお話する時間はないので、ざっくりな伝え方ですが・・・窓口が個人なのかそうでないのか、などお話をしました。

そして・・・

BATA ART2018 氷の彫刻に挑戦した
BATA ART2018 氷の彫刻に挑戦。絵だけにとらわれない事。

イラストレーターにライセンスはない!

をしっかりと伝えてきました。
そう、ライセンスなんてないんです。

好きだからこそ、続けられる

好きだからこそ、続けられるという事。
これはとても大切な事。
好きだからこそ、辛い時もありますが、苦しい時もありますが・・・やっぱりやっていられる。
それが前提だよって。

会社に入って職人的に描く事があっても、きっと描きたいモノとは違う事だってあるでしょう。
受注を受けたとしても、時には自分の気持ちにそぐわない内容だってあるかも知れません。
それでも、その中から自分のアートを追究する事もできるし、逆に妥協せざるを得ない事もあるかも知れません。決まったデザインがある会社なら「我」が不要なこともあるかも知れませんね。

理解ある画廊に所属することや、個人事務所で活動される方、フリーランスの場合は、より自由に、よりアートだと感じてます。
まず自分の作品が先にあって、それを好んで依頼いただけるからです。
自分の好きなツールを生かして受注作品も描ける、と感じています。

小さな星の物語 絵本づくり by Arito Art
小さな星の物語 絵本づくり by Arito Art

作品を人に観せてみて

受注を受けて描いた、最近の作品を子供たちに見せました。

作品を見るときの
表情

開く口
漏れる声
そして、その食い入る時の作品との距離感。

それが、とても いい顔していたんです。
「うわ~」と感嘆の声が漏れてくるんです。

GTY 2020年の授業風景 山縣有斗
GTY 2020年の授業風景 山縣有斗

人に見せる事の大切さ

作品は、どんなモノでも、描いたのであれば見てもらうといいと思います。
きっと、まだ完成してないし、まだ下手だし、なんてことで遠慮してしまうでしょう。
この「まだ」は、開放へのブレーキ。
絵を人に見せる事は、評価を気にするためではなく、対話のひとつだと思っています。「まだ」と思われるのは自信がないという事かも知れませんが、人に見せない事にはまた自信にも繋がりません。評価ばかり気にする点数社会、偏差値社会は卒業しましょう(笑)と思うのです。

どんどん人に見せてみよう。
恥ずかしかったら、家族だけにでも、それから親しい友人だけでも、そしたら友人の友人にも・・・ そんな風に、どんどん開いて行って欲しい。
今や、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSでも作品をどんどん不特定多数に表現できる時代、作品を見せることに遠慮はいらないと。
既にipadを使っている子供たちがいて驚きましたが、作品を公表していくことをおすすめしました。

山縣有斗個展「絵・ミゼラブル」 2015
山縣有斗個展「絵・ミゼラブル」 2015

販売してみる

人が自分の作品を買う
人に自分の作品を買ってもらう
それは、自分の作品を人に見せる事から始まります。
これは、とても重要な要素でした。
観てもらえるだけでも嬉しいのに、さらに欲しがっていただけるだけでも幸せなのに、まして購入して下さるなんて、と繋がっていきました。

実は、Arito Artは、中学校1年生にして漫画を描いてその漫画を同級生に販売しました(笑)
今となっては、よくもまぁ大それた事と思もえてきますが、絵が好きで漫画が好きでよく描いてましたし、 絵のコンテストではほとんど入選していたのです。
勝手な自信を持っていましたし、描いた絵を友人たちに見せるととても喜んでくれていました。 小学校4年の頃の担任の先生は美大卒業生で、その先生が「山縣君は画家になるんだと思っていました」と中学生になった時、「サッカーがしたい」と意気込んだ少年山縣に言ってくれたのです。 お世辞だと思いますが、当日は「別に画家になりたくねぇよ」なんて思ったモノ。。。でも、どこかでその対話はずっと心に残っていました。もちろん図工の時間に描いてきた絵からも、その先生からもずっと自信をもらっていました。
幸せモノだっただけかもですね(笑)
濱田先生、ありがとう。

そして中1の時に実勢してみたのです。コピーで白黒20Pくらいの漫画本を作りました。自分の絵で友人が喜び、且つ1冊300円くらいでしたが、お金を払ってくれたのですから、喜びは大きかったです。

「どうしたら絵がうまくなれますか?」と質問されて

うまくなくていい

この一言に尽きます。
うまくなくていいんです。
似せようと似せようとする事は、ひとつの表現に過ぎないですし、ひとつの技術に過ぎないのです。もちろん、その技術は大切ですし、凄いですが、それ以外も重要だと思えています。
たくさん描いて、自分の線を見つけよう、と伝えました。
自分の線を見つけるためには、たくさん描くこと。
自由といっても、ただし、デッサンは大事だよ、と付け加えました。
クロッキーをして、モノやヒトの構造や光と影を掴む事は大いに大切です。
ただ、うまくなくていいんです。

クロッキー中 (大人のクロッキー会)
クロッキー中 (大人のクロッキー会)

働き方の多様性

画家、アーティスト、色んな生き方があって、どれも決まりはないという事。
ひとつのシゴトだけじゃなく、色々な仕事をして生きる時代が来てる事。
今ある仕事は、10年後ないかも知れない事。
ひとつの事にとらわれず、やってみたい事にまずはチャレンジして欲しい事。
お話をさせて頂きました。

色んな生き方 杉並区情報誌「コミュかる」
色んな生き方 杉並区情報誌「コミュかる」

大学教授をしながら画家・アーティストとして活動している方。
歌を歌いながら、絵を描いて活動している方。
サラリーマンをしながら、休日に画家をしている方。
絵は、他のシゴトをしながらも続けられる、という事。
画家一本で食べている方もいらっしゃるが、そんな生き方は極一部。
歌で売れっ子になるのと同じくらい大変でひと握り。
学校行って卒業して就職して、その就職が絵とは別の仕事だったとしても、その経験がまた違う事に生きるのです。それがまた絵に生きたりするのです。それがあなたのオリジナルに繋がるのです。

子どもたちは驚いていました。
そうか!絵は、ずっと続けていいんだ!って。

言わせてもらうと、「そんなの当たり前じゃないか!って」
どこかで二者択一と思わせている社会が、気持ち悪いねって、想うのです。
「何かになる」って「ひとつの仕事だけを選ぶ」と思い違いをされていると思います。これからの AIの時代、タクシー運転手、バスの運転手、電話の仕事、簡単な絵の仕事、脚本、レジの仕事などあと10年後に存在しているかも分かりません。複数の仕事をする時代。ひとつの会社でも色んな部類の仕事をする事になるかも知れません。 どうか、これまでの時代の事からのビジョンではなく、未来のビジョンで色々トライして行って欲しいと思っています。
それは、今の自分にも当てはまっています。

みんなの天使展
みんなの天使展

人のご縁から繋がる仕事

もしかしたらすべての仕事はこれに尽きるかも知れません。
ホリエモンは違うって言いそうですが(笑)

仕事は、勝手にはやってこない。
求めに行く事も大事。
展覧会に出展して、知ってもらうことや購入して頂くことも大事。
そこから発展して、作品の依頼を頂く事も大事。
Arito Artは、会社に入っているわけではないので、これ全て「ご縁」なのでした。

本当に、本当に、ただご縁です。
Arito Art作品が凄いわけじゃなく、腕が凄いんじゃなく。
作品を気に入って下さった事の前には、友人や知り合った方が展覧会に来てくれてた事から始まってます。そして、購入して下った事から、またその友人の方が・・・友人のお知り合いの方が・・・。
というご縁の連鎖なのです。

まち中ひろがる展覧会
まち中ひろがる展覧会、これから本当にご縁が拡がりました。

先日、このblogでも紹介した作品もそうですし、その前の作品もそうです。
展覧会で購入して下さったお客様も、友人から広がって、たくさんのお客様が観て下さったり、購入して下さったり、ポストカードを購入して下さったりです。
絵本だって、そうでした。(これはまた後述したいです)

実は絵って美術館だけのものじゃなく、とても身近なもの。
トイレ、部屋、玄関にひとつ飾るだけで雰囲気が変化します。
日本でも、もっともっと身近にアートが結びついてくれたら嬉しいですね。

ビッグなアーティストだけではなく、あなたが好きになった作品は有名無名問わず、素敵なアートなのです。人の評価ではなく、あなたが好きになったものがアートなのです。それを大事にして欲しい。

子どもたちの授業の感想が届きました。

先日、授業を受けた子どもたちの感想が届きました。
嬉しい声が、たくさんありました。

子どもたちからの感想
子どもたちからの感想

最後に、ポストカードを皆さんにプレゼントしたのですが、そのお土産もとても気に入ってくれたようです。
まだ、どんな未来に進むか分かりませんが、絵は続けようと思います、とか。
友人に絵を見せていこうと思います、とか。
多様性、色んな生き方があるのを初めて知りました、とか。

嬉しい感想でした。
先生方からは、従業後にこんなに集中している生徒を初めて見ました、なんておっしゃっていたり(お世辞でしょうが(笑))、校長先生からは「多様性」についての授業内容に強く関心を持っていらっしゃいました。

まとめ

目の前にある職業以外にも職業はあるし、自分でも作れるかも知れません。
学校の教育が、「言うことを聞くエリート」「市場主義でお金を稼ぐビジネスマン」を生み出すシステムに感じられるところもあります。
レールから外れたら終わり!みたく志望校に落ちたら終わり、みたく感じる世界がきっとアホなのです。

色んな生き方を見つけられる人になって欲しいと思います。

ゲストティーチャー2020 山縣有斗
ゲストティーチャー2020 山縣有斗

そして、自分もまだ、そんな生き方を探している一人です。
なんて言ったら、「安泰なんてないやん!」って思うかもですね(笑)
実際そうなんです。
もう、けっこう幸せなんですが(^^♪
でも、何を幸せに感じるかは人それぞれです、こんなに便利な世界になっても幸せ指数は上がっていないそうなのです。
素敵な幸せを、見つけて欲しいですね。

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。