クロッキーは必要か?絵を描く人にとってクロッキーが役立つと思える理由5点


こんにちは、イラストレーター・絵描きをしている、ひころーるです。
イラストレーターに関しては、勝手に「ひころーる」と名乗ることにしてみました笑

私は一児のパパということで、
娘が2〜3歳にかけて、娘をモデルに365日毎日クロッキーをし続けた経緯があります。
そんな1年があり、自分の対象の捉え方は確実に変化したし、大きな財産になっています。

クロッキーというのは、1〜20分程度で対象を捉えて短い時間で絵を描くこと。

私がよく参加しているクロッキー会は、日本出版美術家連盟のクロッキー会。
そして、ジョイントワークス主催の大人のクロッキー会

だいたい最初は10〜20分を2回くらい。
その後、10分を2回くらい。
5分を4回、などなど時間制約があります。

時には、ムービングといって、ゆっくりモデルが動く中、描き続けるといったこともあったり。
よくわからなくなりますが笑

クロッキーの楽しさをいつも感じながら、自分の作品や仕事に生かせればと思っています。
それらの経験からも踏まえて、クロッキーをする意味を5点ピックアップ。

①イラストや絵を描くうえで、人の体のラインを捉えやすくする

あらゆるポーズから、その人のラインを計り知る練習。
クロッキーって、なんというか、失敗しても良い環境のような気持ちでやることで、恐れずに線をシャーって引く練習になるんです。

デジタルだとやり直しがきく世界で、ちょっとやり直しを前提でどんどん描きやすいと思うんですが、えんぴつと紙に対してもやり直しなしで一気にシャーっと人体の最低限のラインを勢いで引いていく度胸もついていく気がします。

特に首から肩にかけてのライン、背中、腕、お尻と腰、太もも、ふくらはぎ。
この辺は非常に滑らかだったり、えんぴつと自分が目視で捉えたら線の感覚が近くなってくると非常い面白いです。

そんなポイントが見えてくると、人の体のラインがとらえやすくなっていくと思います。

②イラストや絵を描くうえで、骨格や筋肉を知れる

人体の解剖学のような骨格から筋肉がついたイラスト集などがありますので、それらを参考にするのも良いです。
何となくでもそれらを知ったうえで実際のモデルさんの体を目の前で見ることで、さらに発見が多数。

多くは女性モデルでクロッキーをする機会が多いですが、時々男性モデルの場合、骨格や筋肉が全然違うことに改めて驚きます。

知識として持っていたものが、目の前のモデルを相手に再構築される機会にもなります。

③イラストや絵を描くうえで、体つきという個性から発想できる

理論上を超えて、その人の構成たらしめる体格や筋肉のつきかたの偏り、などなど。

これってキャラクターを制作するうでも、とても役立つと思っています。

美少女を描くことや、美少女系のイラストは、もはや体格が決まっているかと思いますが、さまざまなキャラクターを描いたりする人にとっては色々なモデルを描くことで発見が多いと思います。

筋肉のつき方、脂肪のつき方、あとは年齢によっての変化。
またモデルさんの心の覇気とでもいうか、リラックス感やちょっと疲れ感、緊張感など色々と感じられ、その人だからこその様子がわかるようになる気がします。
これは感覚ですが、個性を見ていくその感覚を養う機会にもなると思います。

④イラストや絵を描くうえで、単純に描きたいものが描ける過程となる

見て描くことと、想像して描くこと、全然線が違ってきます。
頭の中で思い描いたことが、人体の骨格ベースで描いていけるかどうか。
自然体な人間の体を知っておかないと、見る人が絵に違和感を覚える可能性があります。

敢えて、その人体の稼働範囲からはみ出たり、あり得ない動きがある絵を描く人もいます。
それはそれで、通常の人間の稼働範囲を知っているからこそ、はみ出させた飛躍感。
ピカソの晩期やジョジョ、色々ありますが、人体を知ってはみ出すのか、そうでないかで飛躍感が違う気がします。

上手く描こうとして失敗している人、もいたり。

⑤イラストや絵を描くうえで、失敗する線から学びが多い

大胆に一気に、シャーって線を引いて描いていくことの面白さ、当然ながら時に「あ!違う」ってことが起こります。
時に、というよりも、そんなことがじゃんじゃん起こります。

思い込みから描いた線、実際に観た線。
自分が勝手に持っている美意識が入った線、実際に観た線。
手が勝手に動いた線、実際に観た線。

実際のモデルを見ることと、自分が動かした線の違いをいったりきたり。
自分の目視・観察が、ちゃんと絵に反映されるかを養っていく感覚。
さらに、描き込みすぎるとまた見失ったり。
たくさん学びがあります。

自分の思い込みとの戦い、っていうのが失敗の1番の原因というか、それと向き合うことになる気がしています。

まとめ

クロッキーは時間制約があるというのが一つの大意なポイントですね。
限られた時間の中で、さっと見抜く力。
人のラインや重心、バランス、描きたいポイントはさっと深堀して描く。

時間に制限がないと、なかなか終われない。
終われないと同時に、もっと描き込みたくなる。
そうすると、最終的に絵がごちゃごちゃしてしまう。

独りで描いていると、その辺がすべて自分のジャッジになるので集中力も違ってきますし、この辺まででいいか、となかなか思えない時もでてきます。

公の場で、他の参加者がいるからこそ、クロッキー会は時間制限力がパワーアップして面白いのです。
集中力が増す。
また生の人間としてのモデルの存在。

画像を参考に描くのとは、やはり全然、違うのです。
また、他のアーティスト、作家さんのクロッキーも見れて、面白いし勉強になります。

この描き方じゃないとダメ。
なんて世界ではないので、その人通りのクロッキーの意味があるのだと思います。
今回ピックアップした、ポイント5点は私の認識に過ぎないですが、書いてみました。

クロッキーをしない言い訳を探すより、やる理由の方が大きい。

About ひころーる

イラストレーター ひころーる 2011年に「めぐりのおと」の絵本を描いてから 個展を5回開催し、どれも好評を得て 調子に乗って、受注販売をしたり イラストレーターのお仕事をいただいたり 非常に恵まれてきた環境です。 美大も美術系専門学校もでていない私が イラストや絵を描き続けられる環境にあることに 感謝しながら、コロコロと状況を お伝えしていきたいと思います。 ※活動が多岐に渡って経験を備えてきました。 それぞれ専門のブログやウェブサイトがありますので、 こちらはイラストレーターに寄せたものにしていきます。

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