世界中で100万人の心をつかんだ本「ぼく モグラ キツネ 馬」を読む!the boy the mole the fox and the horse


本屋で一目ぼれしてしまって、でも迷って悩んで購入しました。
「ぼく モグラ キツネ 馬」チャーリー・マッケジー (著), 川村元気 (翻訳)

とってもアートな本。インクで描いた絵に、水彩か色インクでほんのり色を滲ませた作品群と言葉たち。言葉は時に、ありふれた内容を表現するかも知れない。しかし、ちょっとした生きるヒントの中にも、また新しい発見が潜んでいた。イギリスで出版された本はきっと作者のチャーリー・マッケジー手書き英文字だと思われるが、日本語でもそのような手書き風に書かれてる。それがやはり温もりが感じさせてくれた。大小でこぼこした筆で書いたような文字からかもし出す言霊があるようだ。

ぼく モグラ キツネ 馬 英米版表紙
The Boy, the Mole, the Fox and the Horse
ぼく モグラ キツネ 馬 英米版表紙
The Boy, the Mole, the Fox and the Horse

データ化されたフォント活字の中にどっぷり浸かってきた最近。手描きの絵と、手書きの文字、という組み合わせはちょっとしたスマホ脳な私にデジタルデトックスをしてくれた。という文章をPCで書いている時点で、現在進行形でやはり私はデジタルの中にかなりの部分、身を置いてしまっているのだけども(笑)
そんな隙間にふっと入ってくる、ヒトの手ざわりを感じる素敵な本でした。ということで、この作品はデジタル本ではなく、やはり紙の本を勧めたい。手でめくるページの贅沢さ、装幀の贅沢さ、カバーの美しさ、合わせて楽しみたい作品。

どんなキャッチフレーズ?

2020年イギリスでもっとも読まれた本!
8歳の子どもから、
80歳の大人まで。
圧巻のイラストで読む、人生寓話。

そんな宣伝文句をPOPに本屋に平積み。帯には「世界中で100万人の心をつかんだ本」「うっかり読み聞かせすると出てくるのは言葉ではなく涙です(ブレイディみかこ)」とある。翻訳者の川村元気の言葉は下記のように。

圧巻のイラストと、すべての人生に寄り添う言葉。
英米を席巻したこの圧倒的なデビュー作が、
日本でも多くの人に読まれますように。
ちょっと癖のある手描きの表紙が、ぱっと目に入る。

日本版の表紙
ぼく モグラ キツネ 馬
日本版の表紙
ぼく モグラ キツネ 馬

好きだったポイント ※少しネタバレ

好みは人それぞれ、だけど個人的に好きだったポイントを少しだけ。
ネタバレにもなり得るので、ご注意。

🄫Arito Art イメージ図 モグラとぼく
🄫Arito Art イメージ図 モグラとぼく

THE BLUE HEARTS的な要素、時々パンクロック! ※少しネタバレ

おぼえたことをぜんぶわすれさせちゃう
学校があったらいいのに
※「ぼく モグラ キツネ 馬」より

なんと粋な台詞だろう。これって、THE BLUE HEARTSの「情熱の薔薇」という曲に通じる。

見てきたものや聞いたこと、今までおぼえた全部。
でたらめだったら面白い。
そんな気持ちわかるでしょう。
※THE BLUE HEARTSの「情熱の薔薇」より一部抜粋

そう、この「ぼく モグラ キツネ 馬」という本は、時々パンクロックなのだ!

いままであなたがいったなかで、いちばんゆうかんなことばは? ※少しネタバレしないでもない

いままであなたがいったなかで、いちばんゆうかんなことばは?
ぼくがたずねると、馬はこたえた。

さて、馬はなんて答えたでしょうか?これは現在の日本の様々な人に届くといいなぁと思えるシンプルな一言。この言葉が言えることが、自立することだと私は信じる。絵と合わせて、感じるとても素敵な1シーン。

🄫Arito Art イメージ図 ぼくと馬
🄫Arito Art イメージ図 ぼくと馬

他、「ぼく モグラ キツネ 馬」の中の好きなワンシーンの破片

・月のシーン。この辺、たまらない。
・馬がずっとみんなに伝えてこなかったことを告白するシーン。いいなぁって。
この辺は個人的にかなり好き。詳細は是非、本を手に取って確認してみて欲しい。

イメージ図 キツネ 🄫Arito Art
イメージ図 キツネ 🄫Arito Art

ハードカバー本を購入するにはちょっと勇気がいる

宣伝文句のキャッチフレーズは、いつだって大げさなのです。正直惑わされてしまった作品は数多。だってすべては個人の好みに委ねられるのだから。
「このコロナ禍、しかもイギリスという遠い国で、2020年もっとも読まれた本!」なんて言われたら、気持ちは余裕で引っ張られてしまうけど。その引っ張りに対して躊躇する自分がいつもいる。『本当に必要か?』って(笑)。本屋で手に取ってはチラ見して“手元に置いてじっくり読みたいか”どうかを自分に問い、数日悩む。それが本との対話の始まり(笑)なのかも知れない。
衝動で買うこともあるけど、文庫本と違い、ハードカバー本を購入するにはちょっと勇気がいるから。本棚もいっぱいだし、一冊2200円だったらなかなかの出費だし、自分の心の栄養に必要かどうかを想像してしまう。今後の自分に必要かなんて結局のところ読んでみないと分からないんだけどね。

まとめ

私としては買って満足。自己啓発本など、素敵な言葉本など、たくさん見ている人にとっては、現在はありふれた言葉がきっと「あぁそれ系ね」なんて思うかも。しかし、自分がどんな気分の時にページを開くかで、自分にとっての良し悪しは決まってくる。さらに言わせてもらうと、アートの本として絵から導かれる世界を楽しめることが最大の“満足”なポイント。
絵柄はイギリスらしく?くまのプーさんの原作ような作風。筆とインクの相性はとてもいいし、時々カラーになったり、違う画材で描いたようなページも存在している。その時、「うあぁ、いい」って感じてしばらくそのページを見つめる。その時は言葉はうるさ過ぎないし、今までの世界からさらに奥深く入っていくような、深い1シーンになっていく。ちょっとした映像を見ているような錯覚になっていく面白さがある。日本語訳も自然でいい感じ。
絵本とは違うけど、深呼吸してないなぁと思えたときにも、きっといい本かも知れません。ということで、ちょっと四角い頭をまーるくするおススメ本。

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。