ショーン・タンの世界展へ


ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ

行ってきました。
場所は、東京の、いわさきちひろ美術館

ここの訪れたのは何度目だろうか
行くたびに素敵な建物、空間、都会の中にふわっとする中庭
ほっとする世界に行ける
時には、戦後の厳しい世界にも引っ張られる
この美術館は、とても大切な場所になっています。

ショーンタンの世界展

ショーン・タンって誰?

絵本作家、イラストレーター。

有名なのが『アライバル』です。
こちらは約5年の制作期間を経て2006年に刊行された作品。
言葉は一切ない移民の物語を描いた長編作品の絵本。
言葉の壁を越えて、現在、世界23の言語で出版されているそうです。
その他『内なる町から来た話』『夏のルール』など
日本では新作絵本『セミ』が刊行されたばかり。

『アライバル』の世界

時に漫画のようにコマ割された構図
絵と絵の間を繋ぎ、頭ではセピア色の映画が動き出すような
そんな感覚になります。

これらすべて鉛筆で描かれた作品群。
見た事ない生き物、でも、子どもの頃に見たような感覚
想像したことがあるような感覚

『アライバル』では、そんな世界が広がっていました。

10年前だったか?初めてみたのは。

不思議な世界ですが、初見で魅了されてしいました。
近所の図書館にも置いてあるので、ここ近年でも
何度か借りて観ては、自分の心に水を与えるようにしていました。

Arito Yamagata です・・・

どこでもないどこかへ

今回の展示では、構想段階の絵
メモ描き、下描き、パステルでの習作
そして、絵本の原画
鉛筆画だった『アライバル』『エリック』以降、
油絵が主流になってきていますが、この油絵も本当に素晴らしい
ロスト・シング』『夏のルール』そして
日本未発売の新作の油絵、最高でした!

その為のコンセプトアートが随所にあったり
風景画が展示してあったり
また、造形で作られたものが展示してあったりと
頭の柔らかさ、奇妙だけど暗くはない世界
どこでもないけど、ここにある世界を探検できました。
しかも、展示数130点!
じっくり90分かけて観ると、胸いっぱい。

『ロスト・シング』

ロスト・シング』(2000年刊行)は絵本ですが、
8年の制作期間を経てCGと手描きを融合させた15分の短編映画が
この会場でまるごと上映!
絵本を観ていたけど、映像で体感できるのはやはり嬉しい。
行間(シーンの間)が埋まっていく感覚。
そしてこの映画、

第83回アカデミー賞短編アニメーション部門受賞作!


素晴らしい世界に仕上がっている。

ロストシング

テーマとして

ショーン・タンの作品群は、テーマが「帰属」が多いと言われてます
移民の話もそうですが、「居場所」を求める人や生物が
出てきます。
『セミ』なんて、人間世界に居場所が見つけられなかった姿が感じられるし
ブラックユーモアを感じます。

生きるモノの尊厳、じゃないですが
疎外される、変な目で見られる、逆に見ている
現在の社会に通じるものが根底に流れているように感じます。

ラクガキ

ショーン・タンのメモ帳にノートにたくさんの落描きやコンセプトアートがある
ある種、落描きと呼べるものでもある。
展示の中のキャプションに確かあったと思うが

考えても出て来ない、とりあえず鉛筆を動かしてみる

そのような事を言っていました。
パーツ、パーツ、そしてアイデアをとにかく描く、線を入れてみる、
後で組み合わさる事がある、とか。
とりあえず描くと、走り出す。

これって、作家として自分も脚本書くにあたって
プロットが完成しないまま、書き始めたら完成した、なんてこと
実はあったりします。
まず、やってみる、という事はとても重要。

まずやってみるの法則

知識ないままやるって事とは若干違っているかも知れない
まずやってみる為の土壌は日ごろからの準備だったりする
脚本書くにあたり、情報を集めていることや
断片的にもメモがある、という事だったり
何かしら手がかりがあったうえなのです。

ジョーン・タンも、日ごろから描きとめたメモ帳のスケッチや
落描きがあってこそ
その絵からイマジネーションをもらってこそ
その、「やってみる」という線から始まるのです。

無からは始まらない。

有から始まるのではないかと思っています。

これは、よく、何でもいいからやってみな、とは言う風潮があるけど
トライする事はもちろん、それ自体、大事。
そこから学ぶ事もある。
そこで、「足りないを知る」から、色々なツールを手に入れてから
まだまだ足りないけど、今在る中で「やってみる」という事に
繋がるなら素晴らしいと思っています。

イマジネーションを刺激するには
イマジネーションを刺激する素材が自分にないと
あるいは自分の中にあることをある程度認識できてないと
すばらしい脳内インプロビゼーションは起きない。
と、個人的に確信めいています。

落描きについて

子どもがノートに落描きするのを止めないで下さい
それは、脳内の何かが出ていきているのです。
と、日本の教師の方に伝えてみたいなぁ。

そんな僕もよく注意されたけど、まわりが喜んで見てくれたり感動してる姿を観ては、気持ちが高ぶったのを今でも思い返します。

今回の展示中にショーンさんが送ってくださった作品

『アライバル』はおすすめの一冊!

実は立ち読み何度もしてるし
図書館で何度も借りてる
でも、持ってなかったのです・・・。

今日、展示会場で販売していて、迷う僕に

妻が プレゼントしてくれました(^^♪

ありがとう。

ショーンタンのアライバル

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。