Netflix「WHEN THEY SEE US」(邦題:ボクらを見る目)の凄さ


Netflixのミニシリーズドラマ「WHEN THEY SEE US」(邦題:ボクらを見る目)を遂に鑑賞。簡潔に言うと、胸を痛めて、心がバイブして、怒って、ほっとしましたが、まだ苦しい。簡潔に言えなくてすみません。無邪気な14歳が戦う事も許されずに差別や偏見、圧力で奪われた12年、いや現在に至るまでの事を想うと、まだ苦しいのです。

Netflix「WHEN THEY SEE US」邦題:ボクらを見る目
Netflix「WHEN THEY SEE US」邦題:ボクらを見る目

※I have translated it into English so that it can be read all over the world.

ボクらを見る目は、実話

全4話からなる実話のドラマ化です。
1989年4月19日NYのセントラル・パークのジョガー性的暴力事件をご存知ですか?この事件において容疑者として逮捕されたのは、その日たまたま公園内に居合わせた当時14~16歳の少年たち。逮捕された未成年の有色人種の5名に対するマスコミや警察と検察とそれらに扇動された人たちの見る目。それが「ボクらを見る目」であり「WHEN THEY SEE US」なのです。そしてそれは警察と検察とマスコミが一眼となって作り上げた冤罪。2002年に真犯人が告白し、開放された5人。その事実の物語をエイヴァ・デュヴァーネイ(原案・監督・脚本)たちが映像で照らし出しました。久しぶりに邦題も冴えて光っています。

Netflix「WHEN THEY SEE US」邦題:ボクらを見る目
Netflix「WHEN THEY SEE US」邦題:ボクらを見る目

ジョガー性的暴行事件の概要と今

本作は1989年4月19日NYセントラル・パークをジョギングしていた20代の白人女性がレイプされ、頭部に重傷を負った状態で発見された事件。ドラマはこの事件に基づいており、女性の暴行に関わった容疑で逮捕された少年5人と彼らの家族を描いている。
シリーズの主役となる5人の有色人種の少年、ケヴィン・リチャードソン(アサンティ・ブラック)、アントロン・マックレイ(カリール・ハリス)、ユセフ・サラーム(イーサン・エリセ)、コーリー・ワイズ(ジャレル・ジェローム)、レイモンド・サンタナ(マークィス・ロドリゲス)は、検察官によって2つのグループに分けられ裁判が行われた。5人は陪審員によってさまざまな罪状で有罪判決を受けた。ケヴィン、アントロン、ユセフ、レイモンドの4人は強姦罪で有罪判決を受け、5人の中で唯一16歳だったコーリーは、成人として複数の罪状で有罪判決を受け、複数の成人刑務所で奉仕した。

2002年、事件の犯人と名乗る男が自白し、DNA証拠や地方検察局による調査で、男の犯行が確認された。男は裁判所に対して5人の有罪判決を棄却するよう要求した。自白が行われるまでに、5人の刑は執行済みで、州は1989年から5人に対するすべての告発を撤回し、性犯罪者登録から抹消した。

2003年、5人は不当な有罪判決を受けたとして、市を相手取り訴訟を起こし、2014年に和解した。
※Wiki参照

エミー賞、主演男優賞受賞ジャレル・ジェローム

どの子役も俳優も素晴らしかった。
5人子ども時代と大人時代を俳優が子役と大人役と別々に演じているが、唯一子ども時代と大人時代両方を演じたのが、コーリー役のジャレル・ジェローム。
彼は警察に連行されていた友人ユセフが心配で、一緒について行っただけ。それだけで警察に脅迫され自供内容を吹き込まれ、自供し16歳だった為大人の刑務所に入れられたのです。
その壮絶な12年間・・・を経験の演技でジャレルさんは、心を揺らしながら生き抜きました。少年期の彼のアクト(演技)、大人になってからの独房での生き様、苦しさを一緒に体験できた演技に感動です。

エミー賞、主演男優賞受賞ジャレル・ジェローム
エミー賞、主演男優賞受賞ジャレル・ジェローム

演技のアプローチについて

監督もそうですが、俳優陣が実際のご本人と対話したそうです。ご家族とお話できた俳優もいます。とても大切な事ですよね。
役作りとして、ヴォイストレーナーのもとで2ヵ月、本人の発音になるようにトレーニングしたそうです。もともとスペイン訛りがあったのだとか。そして、自分の中に本人が入ってくるような感覚を覚えたといいます。その音から、動き、態度が見えて、役が生き始めたのではないかと思います。思いやりのある無邪気な少年にしか最初は感じられません、すごい。

青年期のケヴィン役が言っていたこと

自分が演じる役の実際の人は、すっかり大人です。直接本人に対面して会話する機会があったそうです。とても楽しい人で、無邪気でした、と感想を言っています。悲嘆や憎悪に暮れているわけではなかったと。そして14歳の時は、もっと無邪気で楽しかったと。だから(役の中で)、将来を楽しみに無邪気に生きるようにしました、と。何気ないイノセンスがあふれた姿でした。

子役たちはオーディションまで事件を知らなかった

これって、作品と関わることが人としても成長することに繋がるということですよね。俳優という仕事の醍醐味ですね。余談ですが、逆に差別する側の役の俳優だって、心を痛めて、その役のビジョンを持って生きるのです。それもまた醍醐味ですよね。オファー来たらできますか?実は検察、警察役の人は凄いんです。

アントロンの父親役の辛辣さ

「警察に従えばすぐ帰れる」と子どものアントロンに約束する警察。息子を守れず、警察の望むように答えるよう強要した父親の姿。それは前科のある自分への警察からの脅迫と有色人種が警察に反抗した場合の処罰から子どもを守るための行動。ここでは不正義の中で自分の正義を強要する父親の姿が辛い。不正義だと分かって(ウソの供述物語を作っている自覚あり)不正義を強要する警察に怒りがふつふつと。

The anguish of Antron’s father role

The police promise to Anthron, a child, that he will return immediately if he follows the police. The appearance of a father who could not protect his son and forced him to answer as police wanted. It is an action to protect children from the threat of police with a criminal record to themselves and the punishment when a colored race rebels against the police. Here, the figure of a father who enforces his justice in injustice is painful. When I found out that it was an injustice (I think police are aware that they are making a lie statement), the police urging the injustice were angry.

事件当時、同世代であった俳優マイケル・ケネス・ウィリアムズ

アントロンの父親役。彼は当時、NYに住んでいてそのニュースを観ていたそうです。そして、この事件での騒ぎのような事を被害者として体験しているのです。公園に集まった多数の有色人種の若者は「WILDING(ワイルディング)」という遊びで集まっていました。それは路上などおこなう集団暴力行為。彼には顔に傷がありますが、まさにそれがこのワイルディングによる傷。それ以降悪い役が増えたそうですが、あしからず。

「刑務所に入るという事は、家族をも収監することと同じだ」

この物語はそこも伝えてきた。冤罪を信じている、或いは知っていても、脅迫された供述が”事実である”と署名させられた痛みを背負う人達。世間から重犯罪人、性暴力犯罪人の家族というレッテルという暴力。ボクらを見る目、の「ボクら」には実は家族も含まれているのです。

Entering prison is the same as imprisoning your family.

Entering prison is the same as imprisoning your family.
This story has been told that as well. Those who believe in or know false accusations, but who bear the pain of being threatened with a signed factual signature. Being labeled as a family of sexually violent criminals is violence. In fact, the family that is included in the “US” of our eyes.

Netflix「WHEN THEY SEE US」CM

ドナルド・トランプ登場

セントラル・パークを見下ろせるトランプタワー。そこから世界を見(下し)て語るドナルド・トランプ。そんな彼が1989年当時発言していた映像が登場。「死刑制度を復活させよう!」と訴える新聞広告を大金をはたいて掲載。ある意味、差別や偏見、ゴシップ、マスコミのシステムが作り上げた被害者がドナルド・トランプなのかも知れません。シーンの中で「あの悪魔が!」とテレビの中のトランプに批判するシーンもあります。いや、ほんと、日本が「安倍バカか!」ってドラマで映像流したら、速攻検閲が入ってしまうでしょう(笑)

今、ボクらを見る目」でインタビューが観れます。

オプラ・ウィンフリープレゼンツで俳優、監督、本人達とのインタビューが観れます。これもまた必見です。ここで知ったのですが、衝撃だったのは、ご本人たちが他のメンバーがどんな獄中生活を送っていたのかドラマを見るまで知らなかったということ。特にコーリーの壮絶な12年間をドラマで観て、知るのです。実際のコーリーはあまり顔をあげず語りますが、時折見える彼の目から多くのもを感じ得ます。

今、ボクらを見る目
今、ボクらを見る目

監督が最期に語った言葉

インタビューで、ご本人達を目の前に言いました。

あなたたちはもう語らないでいい。もうドラマで伝えた。だから、自分の人生を生きて。

The words said by the director

The last word the director said in the interview was impressive. You guys don’t have to talk anymore. I already told you in the drama. So live your life.

まとめ

「WHEN THEY SEE US」LIVE ©Arito Art
「WHEN THEY SEE US」LIVE ©Arito Art

今、私はPCの前で子どもを抱っこしながら作業をしています。子どものことを感じれば感じるほど、さらにこの不正義に対する胸の痛みは禁じ得ません。なので、すぐに記録としてここに記述している次第です。乱文をお許し下さい。

何人たりとも、子どもの無邪気さを奪う権利はない。無邪気さを奪われた子どもは大人になってどうなっていくのか・・・。それがあの検事や警察になっていく気がしてなりません。検察や警察の不正義や不公正、差別が当時のシステムの一部、だと思います。それが当時のこととして終われるのならきっとトランプ大統領は誕生してないのではないかとさえ思えます。単純計算で恐縮です。

今、また悲劇は起きています。「BLM」運動が必然的に起きています。対岸の火事ではない。ここ日本にも、他国への差別、蔑視目線が権力者から放たれています。移民への暴力、他国民学校への補償問題、民度の違い、なんて言えたりする国会議員。
映画やドラマが当事者に代わって訴えれる力であり続けることを願い、このような事で胸を痛める当事者と家族が増えないことを願います。

Summary

Right now, I’m working in front of a PC while holding my child. The more I feel about my child, the more pain I can feel for this injustice. So I’m writing it here as a record right away.
No one has the right to deprive children of their innocence. What happens to a child whose innocence is taken away as an adult? I don’t feel like becoming a prosecutor or a police officer. I think that the prosecution and the injustice and injustice of the police and discrimination are part of the system at that time. If that was the end of that time, I wonder if President Trump might have been born. Sorry for the simple calculation.

Now the tragedy is happening again. The “BLM” movement is inevitable. It is not a fire on the opposite bank. In Japan, too, discrimination against other countries and scornful eyes are thrown from the powerful. A member of parliament who can say violence against immigrants, compensation problems for other national schools, and differences in people’s degree.

I hope that movies and dramas will continue to be the power to sue on behalf of the parties, and I hope that tragedy will not increase the number of parties and families that hurt.

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。