縄文DNA野外展in三澤寺 縄文人の遺伝子をアートで観る面白さ


縄文DNA野外展in三澤寺

 春からゆっくりと準備、構想を始め創作してきた縄文魂の作品がありました。その「縄文DNA野外展in三澤寺」が、2021/11/23㈫~28㈰に開催され、無事に6日間を経て終幕いたしました。
ご来場の皆様、会場の三澤寺、主催の縄文DNA展おたすけ隊、事務局のRYU GALLERY、参加アーティストの皆様、会場と運営を支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

野外展ということもあり、会場の三澤寺はいったいどのような様子なのか、コロナ禍であることや家庭の事情で事前に下見にも行けずでした。とすると、GooglMapの俯瞰の画像から想像するしかなかったため、その俯瞰図から展示方法を思考し、想像と空想を織り交ぜながら組み立て、当日を目指して準備をしていきました。

そして、実際に現場に入って感じたことは、自然に囲まれた斜面に存在する三澤寺の雰囲気が懐かしくもあり身近に思えたのです。そんな中でアート展が展開される不思議。会場入り口から既にアート作品が展示されており、「あ、これも!?」などなど思わずびっくりなのもありました。その他、さまざまなアーティストの作品があちらこちらに点在し、視点や工夫、場所との空間のマッチさ、を拝見して個人的にもたくさんの収穫があったことを報告しておきます。

野外展示作品のいくつか

十時孝好さんの作品
山口謙二さんの作品
藤巻ゆきこさんの作品
山下若葉さんの作品
山仲久美子さんの作品 見えますか?雲たちが
下のアップの画像をご確認ください
山仲久美子さんの作品
白砂勝敏さんの作品
細野麻樹さんの作品
等身大サイズのカエルです
あしざわまさひとさんの作品

まだまだ盛沢山でした。何しろ48人のアーティストが参加していますので。。。忠臣蔵の47人よりも多いのです。そのエネルギーは計り知れないものです。すべてここではご紹介できないことをご了承下さいませ。
また、この縄文DNA野外展は、過去の画像や情報があまりWEB検索で上がってこないので、このブログの記事が、ひとつの雰囲気をお伝えするブログになればとも思っています。2年に一度のお祭り、きっと未来の参加アーティストやお客様が様子を知りたいと、このblogをたずねてきてくださると信じて。。。

縄文DNA野外展の開幕式

縄文DNA野外展の開幕式
縄文DNA野外展の開幕式

前日の大雨は嘘のように、すっきりと晴れ渡った初日となりました。富士宮市長や市議や主催の挨拶など多くの方がが朝いちばんから集まり賑わっていました。人が集まるところ、やはり気持ちが上がりますね。

縄文DNA野外展がメディアで取り上げられました

静岡新聞
岳南朝日新聞

その他、NHK静岡のニュースなどに登場したようです。おかげさまで、県内、県外からもお客様が集まり、ご来場されたようです。有難いことです。

山縣の展示作品「木臨(きりん)」について

山縣有斗の展示作品「木臨(きりん)」
山縣有斗の展示作品「木臨(きりん)」

木とともに、自然とともに生きた縄文人の姿。「臨」は「在る」ということ。また見下ろすということ。木から見下ろされて見守られてそこに「在った」のではないかと思いを巡らせたのです。

クロッキー用紙に縄文時代の模様を淡々描きながら、いたずらにえんぴつを走らせていきました。今回はとても右脳を使ったような気がします。杭にはんだごてで焼き絵を施して作品にしていったのですが、下絵の図を描いてもどんどんその場でインプロビゼーションしていくのです。結果、構想していたものがどんどんその場で変化していった作品となりました。それがまた線と自分とのつながりを感じる時間となるのです。もちろん、もともとの構想がありビジョンとして持っていた輪廻転生を思い描き、創作していきました。

山縣有斗の展示作品「木臨(きりん)」
山縣有斗の展示作品「木臨(きりん)」

どうして焼き絵になったのか?

山縣の展示作品「木臨(きりん)」の「始」

野外展に耐えうる耐久性を持った素材で、どのようにアウトプットしていけばいいのか、少し考えあぐねていました。春頃から構想してなかなかまとまらず実はややストレス気味に。そして、ある時、横浜のSOGOの展示会場で、焼き絵をされている作家の「しまこう」さんの作品を拝見し、ずっと心に残っていたことを思い出しました。そして、実に30年程度の時空を超えて「ハンダゴテ」を使った次第です。

山縣の展示作品「木臨(きりん)」

縄文DNAとしても、人類としても、やっぱり環境を考えざるを得ない

生活スタイルとして、果たしてこのままでいいのか?と問われたときに、このままでは大問題であることは多くの方が当然ながら気がついてると思うのです。グレタ・トゥーンベリさんの圧倒的スピーチから私も大きな影響を受けました。

ドキュメンタリー映画


いよいよSDGsも声高に叫ばれて行動に移さなければと国をあげて二酸化炭素の放出を抑える運動が始まっています。企業から学校教育に至るまで、その声はあちらこちらから聞こえて来ているかと思います。しかし、実際のところ、使い捨てで消費させ社会の中において、この「便利さ」「見かけの良さ」そして「地球環境を考えた行動の面倒くささ」に勝るほどの気持ちが動いていないのが事実ではないでしょうか。喫緊に脱炭素へ向かう行動力を日本では起こせていないのが事実。ここ10年がターニングポイントと言われています。(2021年現在、例えられた10年切っています)
1万年もつづいた(というか区分された)縄文時代から比較すると、今の我々の時代はたかが昭和・平成・令和なんて塵にも該当しない短い時間。そう考えると、その塵が起こした引き返せない破壊もひどくて凄いですが、1万年続いた縄文時代もそれだけで凄い時代ですよね。未来を想像すると、たとえば1万年後に地中から発見されたのがプレスチックゴミばかりだったら恥ずかしいし、それを1万年後の博物館に朽ちきれなかったペットボトルが飾られていたら痛いですよね(笑)
そんな中、我々アートを生み出していく人もまたそのことを考慮しなければならないと思っています。随分と前から思ってはいましたが、今回はプラスチックをできるだけ使用せずに、土に還る素材を使用して作品を作りたいと思っていました。自然破壊に繋がっては意味はなし、木材の使い方もまた考慮しなければならないのでしょう。ちなみに私は端材を購入して対応しました。

「木臨(きりん)」の中心に置かれた
プラスチックのペットボトル
その中に、問いかけたもの

そこで今回は、全体的に木材(杭以外は基本的に端材)を使用して小さなインスタレーションを計画。先に述べた「このままでいいのか?」をこの作品の中心に込めてみました。つまり縄文時代の価値観と大きく変貌した物質主義的・市場主義的な現代の資本主義社会において「縄文DNAはどこにある?」と。疑問にならざるを得ないのです。「経済」を回すのが優先され過ぎた社会で、多くの環境破壊や搾取が正当化されてきた今までの社会で、それこそ日本規模ではなく人類規模で「縄文DNA」を再発見しなければならないのではないのか、とさえ思います。問題提起することはアートの大切な部分。
今回、三澤寺で私の作品を前に直接お会いしたお客様には少しだけそれについてお話しをさせていただいた方もいらっしゃいます。あまり説明しない方がいいのかも知れませんが、それは作品や作家によりけりだと思っていますので、お話したいと感じたら私はお話ししています。

「木臨(きりん)」の近く
「木臨(きりん)」の近く

インスピレーションを得た「縄文人の死生観」という本

最初のリサーチとして購入した本がこちらの山田康弘さんの「縄文人の死生観」でした。日本が凄かった。実は日本人って凄い、なんてナショナリズムを煽りそうな言葉が散見される今。それに便乗した縄文ブームとならぬよう、それらと離れた本を読むことが必要でした。こちらの本は、真摯に縄文時代の慣習に目を向けながら、どんな営みや思想を持っていたのかを想像させてくれる本でした。女性や子供の埋葬の仕方。土偶の正中線。屈葬と装飾品。移住するライフスタイル。輪廻転生を思わせるヒントがそれらの中から伝わって来ました。その他、写真の多い土器や土偶集の本を見漁ってみました。土偶、確かに可愛いんですよね、是非調べてみてください。

横浜市歴史博物館の縄文展

「目指せ世界遺産!岩手県御所野遺跡 縄文ムラの原風景」

東京から横浜に引っ越しをして早1年ちょっとだった春。なんとわりと近所に横浜市歴史博物館があることがわかり、しかもそこで「目指せ世界遺産!岩手県御所野遺跡 縄文ムラの原風景」が開催中だったという幸運に恵まれました。ラッキーとしか言いようがなく、さっそく子どもを抱っこして行ってきました。

縄文土器
勝坂式土器

そして、この近くには弥生時代の遺跡があったのです。現在は公園になっていますが、再現された竪穴住居が見れるのです。当然ながら弥生時代の人たちも縄文ソウルを持っているはずなので、縄文DNAの片鱗をチェックしないわけにはいきません。たまたまとは言え、ラッキーとしか言いようがない展開。春先から夏前までで3回は訪れました。

竪穴式住居跡と再現された竪穴式住居
もちろん、公園とあらば、娘を連れていくでしょう(^^)/
乾杯!

山口県下関市の土井ヶ浜遺跡も訪れました

美しい白浜のビーチ 土井ヶ浜

山口県の下関の故郷に、土井ヶ浜という美しい白浜のビーチがあります。実はそこに弥生遺跡があり、多くの人骨が発見されたのです。私が小学生の頃に、その発見された人骨の歴史的資料を展示するため、土井ヶ浜弥生遺跡のドームや公園などが整備され現在に至ります。ですので、小学生の頃に一度見た記憶がありました。
そして、この夏、30数年ぶりに土井ヶ浜遺跡へ。もちろん、ビーチで遊ぶことも忘れずに(笑)

美しい白浜のビーチ 土井ヶ浜 と 親子

この場所がなんと「縄文人の死生観」の著者、山田康弘さんが遺跡発掘時の研究に携わっていたということが分かり、弥生時代の遺跡ですがもう一度観ておこうと思ったのです。何かしらのヒントを求めて。中の資料館には、縄文時代と弥生時代の比較がされた展示があり、非常に興味深く拝見できました。縄文DNAは弥生DNAにもきっと引き継がれていて、そして令和DNAにも引き継がれているものがあるに違いない、そう思います。
まだまだビジョンはおぼろげでしたが、作品に向けてぼんやりと受けとめることができたように思います。

土井ヶ浜遺跡を再現したドーム内にて
土井ヶ浜遺跡を再現したドーム内にて

静岡県富士宮市のRYU GALLERYのご縁

毎年、RYU GALLERYの館長でアーティストの山仲久美子さんのご好意で、さまざまなグループ展に参加させていただいています。年1回程度ですが、素敵な機会に作品を創作する面白さや焦り、緊張、想像の具現化を楽しみに参加させていただいてます。今回の縄文DNA展は、「面白いですよ」と以前から情報をいただいていましたので、興味を持っていた次第。しかし野外展となると、通常の絵の作品という枠を大きく飛び出して挑戦する必要があるため、ちょっと戸惑いながら、また挑戦できる嬉しさを噛み締めながらTryさせていただきました。

富士宮市の友人に感謝

村上夫婦と愛犬バンビ
村上夫婦と愛犬バンビ

最後は、富士宮焼きそばを堪能。そして、コロナ禍にもかかわらず、快く泊めてくれた友人の村上ご夫婦に感謝。もはや富士宮といえば、この2人を思い出してしまうくらいに、富士宮がぴったりな2人。
2009年に脚本と演出を手がけた「Red &White」という紅白の舞台裏を描いた舞台公演に出演してくれた俳優の2人。しかも、恋人役で出演してもらった結果、まさに本当にそうなって素晴らしい時間を過ごしているのです。

移動に力を貸してくれたり、仕込み搬入のお手伝いをしてくれたり、美味しいご飯を用意してくれたり、暖かいベッドを用意してくれたり、可愛い愛犬バンビを俺の寝床に忍ばせたり、非常にありがたい時間でした。
最後は夜中にクロッキー大会をしました。村上周もアーテイストとして絵を描いていますので、2人でワイワイと夜中2時に挑戦(笑)おかげさまで翌日の展示初日はやや眠気が(笑)

真夜中のクロッキー会
村上周が描いた うちの娘
山縣有斗が描いた 娘
村上周が描いた 愛犬バンビ
山縣有斗が描いた 村上家の愛犬バンビ
そして、村上周の奥様の
女優でマッサージ師でカフェを運営している真夕さん作
これが、実は一番アート過ぎて、やばい!と思いました。

まとめ

億劫なもので、展示などイベント機会がないとアウトプットするタイミングをうまく見つけられなかったりするもの。このようにまた新しい次元で「焼き絵」ということに挑戦できたこと、また童心にかえって思うままに線を走らせて描いていけたことは、偏りがちな思考から離れて、制作段階から大変有意義な時間となりました。
ご縁に感謝しかありません。

そんな中ではありますが、少しでも山縣作品を観ていただき、あばよくば好きになってもらえたら幸い中の幸い以外の何ものでもありません。
まだまだ2歳にも満たない小さい小さい可愛い可愛い娘がおりまして、私は何よりも一緒に過ごすことの幸せの中にいます。その中に在って(臨)、創作時間には限りがこれまで以上にあり、多くの作品を生み出すほどのパワーは、今のところ時間的にないと言っても過言ではありません。

多くのものを生み出すパワーは今はさほどないですが、少なくも生み出すパワーはあるのです(笑)
少ない作品を生み出しながら、来年もまたいくつかグループ展などに参加予定ですので、来年もまたよろしくお願いいたします。

アート作品や毎日のクロッキー専門のアカウントです、よろしければフォローくださると幸いです。
Arito Art World よろしくお願いします。

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。