本・映画から感じてみる、ウィルスの拡散~新型コロナウィルスを鑑みて~


2020年3月20日現在。
新型コロナウィルスはさらに世界に拡散されている状況です。放射能と同じで、調べなければ発見は少ないという理論がそのまま継続されているように思えます。民間が調べると出て来るデータも無視され、公的機関が用意した静かなデータが広まっていくという気がしてなりません。
そもそもPCR検査に行きつくまでのハードルが高い、そんな現状が日本にはあります。疑わしきは調べず、だと限りなく小さく見積もることになります。想定しているものが低い場合、対処や予算も小さく見積もられてしまうのです。申告がないまま「風邪のような症状だから大丈夫」として日常を過ごす人も増える気がしてなりません。

COVID-19 と 人間
COVID-19 と 人間

そんな中、イタリアの死者が中国を上回ったニュースが流れてきました。イタリアの死者3405人(3/19時点)に達しており、中国の3245人を越えました。※朝日参照

マスク、消毒液の不足、まだまだ解消されていません。近所のスーパーの入り口のアルコール消毒液も消えました(´;ω;`)ウゥゥもちろん販売もしていません。心配はつのるばかりですよね。

ドイツのメルケル首相の声明

映像で国民に訴える声明は、翻訳者を通じて日本も届いてきました。正直、透明度のある情報や、お願いとしての言い方、誠実さを感じさせる力を持った首相の声明でした。官僚が用意した原稿を読み上げるだけの国とは大違いです。
札束でほっぺたを叩かれた御用達専門家たちとの会議は、「そんなこと分かってるんじゃないの?」レベルの粋をでません。原発の時も同様でした・・・。ダイヤモンドプリンセス号に入ってYouTubeで情報を流した専門家の方などの意見を集めて欲しいものです。

メルケル首相のよびかけ

どうしてもこの映像を観て自国を振り返ってしまいます。「自国を批判してもしょうがない、今は一致団結だ」と戦時中のようなことを言われるかも知れませんが、民主主義はそうやって意見があって機能するのです。そうやって改善していく事を前提に、国会議員は公僕なのです。だから批判もリクエストも全然して構わないのです。とにかく、まわりくどい言い方で濁してけむに巻く言葉や挙動不審な声明ではなく、ちゃんとしたスピーチを観てみたい。スピーチの専門家などを雇ってトレーニングもして欲しいところですね。

ちなみにドイツのメルケル首相の声明翻訳全文はこちから
 ☞メルケル首相の声明翻訳全文

パンデミック宣言

2020年3月11日、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が、新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大は「パンデミック」にあたると宣言しました。ちなみに、パンデミックとは、世界的な感染症の流行だそうです。

見えない敵と言われていますが、それは放射能も同じですよね。ウィルスの場合は、症状の発生がシンプルで速いという事にあると思いますが・・・。

エボラ出血熱を覚えていますか?

エボラ出血熱が90年代半ばにアフリカ中部で広がった時、かなり深刻なイメージを与えたようです。数年前、コンゴ共和国でさらに感染拡大したのを多くのジャーナリストの記事や写真から限られた情報を得て、もしろ日本に入ってきた時のことを想像していました。エボラ出血熱、その名の通り感染すると出血が凄いのです。致死率は高く、皮膚・口の中・目・消化管などから出血を起こすようなり亡くなっていく姿を記事で観てきました。致死率は70~90%とも言われ、どうして日本ではこのエボラウィルスの報道が少ないのか心配になったものです。
日本は対策できるのか、という疑問も日本のジャーナリストが投げかけていましたが、それに応えれる日本の公的機関はなかったと思います。

小説「ホット・ゾーン」の怖さ

エボラ出血熱がアメリカ合衆国に上陸!1989年12月にワシントン郊外の動物飼育施設でアウトブレイク、感染していく様子や出血していく人々の描写・・・読むことが辛い部分もありますが、目に見えないウィルスとの戦いがここにありました。

今一度読み直したいので、再購入を検討しているくらいです。
読み終えたあと、色んな人達に話をしましたが、2014年当時、このことは遠い対岸の火事どころか、映画の話をしているようにしか聞こえていなかったと思います。

 ホット・ゾーン(THE HOT ZONE)
リチャード・プレストン (著), 高見浩 (翻訳)
ホット・ゾーン(THE HOT ZONE)
リチャード・プレストン (著), 高見浩 (翻訳)

このパンデミックを題材にして、未来を予見した映画があるので紹介しておきたいと思います。そんな多くは語らないですが、最初に紹介する映画「アウトブレイク」です。この映画は先に紹介した小説「ホット・ゾーン」を基に作られた映画になります。

映画「アウトブレイク」

「アウトブレイク」1996年
監督 :ウォルフガング・ペーターゼン
出演:ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマン、キューバ・グッディング・Jr

映画「アウトブレイク」

あらすじ
米国陸軍伝染病医学研究所(USAMRIID)のレヴェル4(最高警戒度)研究チームのリーダー、サム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)は、指揮官のフォード准将(モーガン・フリーマン)に命じられ、アフリカの小さな村に派遣された。そこで彼は、未知のウイルスによって村人たちが次々と死ぬのを目の当たりにする。サムはウイルスがアメリカにまで広がる恐れがあると判断し、警戒態勢を敷くように進言するが、フォードは“モタバ・ウイルス”と名付けられたこの病原菌の研究をやめるよう命令する。その直後、カリフォルニア州のシーダー・クリークという町で、住民たちの間に伝染病が発生した。

※映画.com参照

アウトブレイクの事態は、アメリカだからだと思っていた

ダスティン・ホフマン主演、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマンが出演。他にもドナルド・サザーランド、ケヴィン・スペーシーら名優が出てきます。1995年の当時、若手注目株の、キューバ・グッディング・Jrと紹介されていたのを思い出します。
トム・クルーズ主演の「エージェント」という映画でアメフト選手を演じて、アカデミー助演男優賞を受賞しています。私は当時まだ高校生だったのでダスティン・ホフマンと若手注目株俳優のキューバ・グッディング・Jrが出演する!という興奮だけで観た記憶があります。

ところがその内容の怖さに圧倒されてしまいました。 そもそもウィルスの感染についての知識が全くなかったので、宇宙服のようなものを着たり、街を封鎖したりするシーンは、そこまでするのか!と子供心に驚きながら恐怖を感じました。軍隊も登場して街を封鎖することに、ただならぬ空気がありました。この映画を観て「でもそれって映画だし、アメリカだからするんだろうなぁ」と思っていたくらいです。しかし実際には、どの国もせざるを得ない可能性があるという事ですね。中国、イタリア、他の国でも当然感染をおさえるうえでは致し方ない方法かも知れないという現実感をいまだと感じられます。

映画「アウトブレイク」 落ち着かすダスティン
映画「アウトブレイク」 落ち着かすダスティン

映画「コンテイジョン」

「コンテイジョン」2011年
監督 :スティーブン・ソダーバーグ
出演:マット・デイモン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ、ケイト・ウィンスレット

映画「コンテイジョン」

あらすじ
香港出張からアメリカに帰国したベスは体調を崩し、2日後に亡くなる。時を同じくして、香港で青年が、ロンドンでモデル、東京ではビジネスマンが突然倒れる。謎のウイルス感染が発生したのだ。新型ウイルスは、驚異的な速度で全世界に広がっていった。
米国疾病対策センター(CDC)は危険を承知で感染地区にドクターを送り込み、世界保健機関(WHO)はウイルスの起源を突き止めようとする。だが、ある過激なジャーナリストが、政府は事態の真相とワクチンを隠しているとブログで主張し、人々の恐怖を煽る。その恐怖はウイルスより急速に感染し、人々はパニックに陥り、社会は崩壊していく。国家が、医師が、そして家族を守るごく普通の人々が選んだ決断とは──?

※WBより参照

主観で勝手な事を言いますと、ソダ―バーグ監督はいい俳優を集めても、結果的に面白くないって事があります(個人的ぶっちゃけ)。何というか俳優と距離を置いた淡泊な映像、感傷的にしない編集で、ドライになりやすい。
ソダ―バーグさん、すみません。
この作品は、映画「トラフィック」のように、それが結果的にリアリティを醸し出して、冷たく怖い印象の連続を観る者に与えてくれます。 映画によってはとてもハマるんです。「コンテイジョン」はまさに、そのような作品でした。

オスカー女優が、Oh My God!※ネタバレ

ウィルスのリアリティ、それはアカデミー女優をも冒頭で殺してしまうんです!
他にも・・・(映画観て下さい)。
ちなみに現実では今回はリアルに、トム・ハンクス夫妻が新型コロナウィルスに感染した報道もありましたが、誰であろうと感染し得る恐怖を身をもって感じさせてくれます。名優を映画の中で殺す事でお客様にショッキングを与える怖さ、命の平等さ、それも含まれていると思います。
監督や作品への信頼感があってこそですよね。
また、物語としても、エンドロールでそのウィルスがどのように始まり、最初の人に感染したのかを見せてくれます。そのドライな映像にますますリアリティを感じるのです。食料品の売り切れ、暴動、SNSで儲ける人、ワクチンの問題、情報漏洩、などなど。検証されたリアリティある流れがありました。

映画「コンテイジョン」 グウィネス・パルトロウ さんの一撃
Gwyneth Kate Paltrow
映画「コンテイジョン」 グウィネス・パルトロウ さんの一撃

映画だから起きてる事ではないのです。

武漢を封鎖した時、「そこまでするの?」と中国を揶揄した声もありましたが、映画から体感していると「もっと早く隔離を」と逆に感じました。
余談ではありますが、今もって「武漢ウィルス」と呼びたがる差別的な日本の大臣がいますし、地名でウィルスは名づけないという国際的な認識に対してすらこの国の対応力や認識力の弱さを感じます。

映画「12モンキーズ」 ちょっと番外編

「12モンキーズ」1995年
監督:テリー・ギリアム
出演:ブルース・ウィリス、マデリーン・ストウ、ブラッド・ピット

映画「12モンキーズ」

あらすじ
20世紀末、突如発生した謎のウイルスにより人類の99%が死に至り、21世紀初頭の人類は汚染された地上を捨て、地下での生活を余儀なくされていた。その原因を探るため、科学者グループは服役中の囚人ジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)をタイム・トラベラーに選び、過去の世界に送り込む。彼は子供時代に、目の前で1人の男が殺される光景を目撃し、その強烈な思い出を何度も悪夢に見ては繰り返しうなされていた。コールはまず地上に出ての調査を命じられ、荒涼とした街の廃墟で不気味な猿のマークを見つける。人類滅亡の元凶と見られる「12モンキーズ」という名称を教えられたコールは1996年の世界に旅立つが、機械の故障か、1990年のフィラデルフィアに来てしまった。その不審な言動から彼は逮捕され、精神病医学者のキャサリン・ライリー(マデリーン・ストウ)の立会いの下、精神病院に入れられた。そこで彼は、自分の父は神であると自称する入院患者ジェフリー・ゴインズ(ブラッド・ピット)と出会う。コールは脱走騒ぎを起こし、拘束衣を着けて独房に入れられるが、忽然と姿を消した。21世紀に戻された彼は経過報告を済ませ、再び過去の世界への旅を命じられる。なぜか第1次大戦中にフランスに送られ、戦場で囚人仲間のホセと再会した後、本来の目的地である1996年の世界に到着した。この世界で頼る者のない彼は、今や精神科医として成功しているライリーの前に現れ、2人はフィラデルフィアへ向かう。コールは街角であの猿のマークを見つける。「12モンキーズ」はジェフリーの主宰する過激な環境保護団体で、彼の父親は世界的な細菌学の権威ゴインズ博士(クリストファー・プラマー)だった。ジェフリーの関与を知ったコールは彼の屋敷に向かうが、警官隊に取り囲まれた時、またしても21世紀に呼び戻された。再び96年に現れた彼は、「12モンキーズ」のアジトの前でライリーと再会。「12モンキーズ」はいよいよ大きな行動に出るらしい。果たして、彼らがウイルスを盗んで世界各地にばら蒔いたのか……。だが、いつしか彼女を愛していたコールは任務を捨て、彼女とこの世界で生きていくことを決意する。2人は変装して空港に向かう途中、ジェフリーたち「12モンキーズ」が、環境保護アピールのため動物園から動物たちを逃がしたニュースを知る。「12モンキーズ」はウイルスと無関係だった。だが、その直後、彼らは空港でゴインズ博士の助手の男を目撃。男の目的が世界各地にウイルスをばら蒔くことと察したコールは、銃を構えて男を追うが、逆に警官隊に射殺されてしまう。ゆっくりと倒れるコールを抱きしめるライリー。その光景を5歳の彼が見ていた。そして、男とウイルスを乗せた飛行機は大空に舞い上がった。

映画.com参照

演技にも注目したい作品

これはちょっと異色なSFタイムトラベラー映画ですが、時空を旅する原因はウィルスにあるという事で、感染のルーツを探る映画なのです。ブラッド・ピットはこの映画の演技でゴールデングローブ賞(助演男優賞)を受賞しています。二枚目を消したかった(と本人曰く挑戦できる役を探していたとか)彼が挑戦した姿は確かに見ものです。地上が原因不明のウィルスで汚染され、99%の人間が亡くなり、地下に科学を結集して生きている現代がスタート地点です。タイムマシンで過去に戻りウィルスに汚染される原因を探る旅に出ます。その旅に任命されたのが、囚人となっていた ブルース・ウィリス 扮するジェームズ・コール。

ちなみに、環境破壊、地球温暖化が危惧され続けていて日本の経済バブルの頃から言われていたのに・・・。経済優先した結果、2020年現在、地上の心配は深刻なまま。この映画のような未来は、あり得るのか。個人的な物語にする事で、婉曲しながらもある種の風刺を感じます。

12モンキーズのウィルスとピットさん
12モンキーズのウィルスとピットさん

1996年の映画で、まだ大学生の時に劇場に観に行ってダークな色合いとブルース・ウィリスのよだれ垂らした演技、ブラッド・ピットの奇抜なアクトにやられました。また、細かいところを言うと、ブルース・ウィリスが1995年、車の中で音楽を聴いたときの表情や心の動き、素晴らしい瞬間があります。何度も何度も観た映画のひとつで、映画の作り方ってほんと色々あるんだなぁと勉強しつつ興奮したのを思い出します。
個人的な話ばかりですが・・・、物語の語り方は、ドラマが書かれた脚本だけに非ず(当たり前ですが)映像の編集で語る事、映像の色合いで魅せる世界、フラッシュバックの使われ方など含め、映画最高だぜってワクワクしていた当時を思い出します。。
そんなもんヒッチコック作品見れば分かるだろ、と言われそうですが、タイムリーな監督の作品で感じたのが大きかったのです。近年、ドラマにもなって、1話だけ観ましたが、映画の最初の10分を60分かけてドラマにしたような1話に魅力が感じられず、続きを追いかけることができませんでした(´;ω;`)ウッ…

ゾンビ映画もウィルスから始まっている

ウィルスが感染していって人を襲うとなるとホラー映画のベタな部分ですが、ゾンビが思い切りそれに該当します。ヴァンパイアも感染していくという意味では同じ部分があります。
映画「バタリアン」なんかは、軍の細菌兵器ガスの煙(科学薬品?)が原因でゾンビ化していったように思います。脳みそ食うゾンビです。これも子どもの頃に怖くて怖くてたまらなかったですが、目が離せない面白さがありました。
バタリアン2」では「スリラー」のマイケル・ジャクソン(の赤いジャケットを着たっぽさ)が登場するなど、遊び心がありましたね。ちなみに日本では『オバタリアン』の方が有名かもですね、おばちゃん化した女性を面白おかしく描いた漫画です。あと、「28日後」(ダニー・ボイル監督)も走るゾンビにやられました。「ワールドウォーZ」も「新感染 ファイナル・エクスプレス」も感染力の速さがハンパなく面白いエンターテインメントになっていました。
もちろん、ゾンビもヴァンパイアも多種多様な表現なので、感染を前提にしていないものもあるかと思いますが。

まとめ「映画って・・・」

いやぁ、映画って本当にいいもんですね。って終わる話じゃなくて、映画は先見の明があるし、時間をかけ準備された総合アートです。様々な視点を教えてくれるのです。
映画「シン・ゴジラ」が日本の官僚政治の遅いスタートや回りくどい道筋などをコミカルに漫画的に映し出しましたが、一般市民から言わせてもらえば「何してんねん」というツッコミを入れたい所ですよね。映画「太陽の蓋」という映画では、原発事故を首相官邸側から描いた作品ですが、その葛藤は美化されずに何が起きていたのかを目撃できます。その視点を伝えてくれるのです。
一般市民という目線で、災害を伝えるとなると「クローバー・フィールド」J・J・エイブラムス監督の映画だったりしますよね。

映画は監督や脚本家や製作スタッフのアイデアによってさまざまな視点を感じさせてくれるという意味でもとても凄いものだと思います。

その他、小説で魅せてくれる作品もあるし、ノンフィクションで文字で伝えてくれるものもあります。単純に楽しむのが前提でいいんですが、そこから監督の意図などを読み取っていくとまた面白さが広がりますし、作られた時代などから観てみると違う学びが存在します。ちょっと参考までに挙げましたが、自粛でゆっくりされている皆さま、お楽しみ頂けたらと思います。

About aritoo

アーティスト(俳優、脚本家、演出家、絵描き)として、感じたままを様々な媒体を通して放出。また芸能プロで演技講師に力を入れ、現在メソードアクティングを紐解きながら世界で通用する俳優を育成する。